内容説明
志摩半島英虞湾に「悪」が売物の作家・袴田啓二郎の他殺死体が浮かんだ。所轄の鳥羽署は、彼が失踪前後に掛けていた不審な電話から、黒い交友関係に絡むものと捜査を開始した。一方、美少女海女の取材で同地を訪れていたルポライター・浅見光彦も事件を知り、調査に乗り出した。だが、袴田の電話相手は杳としてわからず、やがて第2の殺人が発生した。真珠の海を血に染めた事件の真相は? 2つの殺人事件の関連は? 人気絶好調の著者が、早春の志摩、東京、三陸を結んで描く本格旅情推理の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
十六夜(いざよい)
7
浅見光彦シリーズ22弾。海女さんの取材で志摩を訪れた光彦だったが、作家が海で浮いていた事に因縁めいたものを感じ調査を開始する。相変わらず旅行記のような詳細な描写が興味をそそる。結末は途中で"こうでなかったらいいな〜"という風に進んでしまい、気落ちしたが結末的には良かったんじゃないかな。2019/03/24
琵音
2
旅行の候補地なので、読んでみました。発行がバブルまっさかりの頃らしく、「旅と歴史」も上海に取材~とか景気のいいことを言っています。舞台は志摩半島の他大船渡や陸前高田も登場。詳しい描写はありませんでしたが、このあたりはバブルとも無縁だったような印象を受けました。結末については、光彦は警官ではありませんから、こういう結末でもいいかと。2014/09/29
チャーシュー
1
志摩の美しい情景が浮かんでくるようでした。2015/11/18
如雨露屋
0
吸う気もない煙草をくわえた浅見さんの姿が何とも痛々しく思えた結末でした…2016/01/17
moon
0
なかなか繋がりが無さそうな人物を繋がる面白さが良かった。犯人探しもよいが、こんな結末もありかな。2023/09/11