内容説明
乱診乱療の南川外科産婦人科病院が責任を追及される渦中で、外科医の寿山、理事長の南川が相ついで殺された。いったい犯人は誰なのか!? さらに魔の手は院長の南川千代子、女医の福田麻紀へと迫る。そして阿相はどこに消えたのか? 巧みな構成とトリックの中に意外な犯人像が……! 水、火、空の最長編推理シリーズ、ここに完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那義乱丸
7
古い文庫本を再読。魔法陣シリーズ3部作最終巻。単行本では最終章が袋綴じになっていたとか。文庫本では赤文字になってる。これは一読者としても本当に最後に読むべきと納得するお話。水、火、空をここまで読んできた者の胸にずっしりとくるものだから。この3部作はどこまでも深い愛情や命の大切さ、尊さが切々と訴えかけられる物語だったなぁと感慨がひとしお。2025/06/21
コマンドー者
2
空の魔法陣のラスト作だが、それまでの水・火の魔法陣3部作のラスト作でもある。意外な犯人は、このシリーズ全てを読み通した読者だけが味わえる充実感である。斎藤栄氏の代表作と言ってもいいだろう。2024/09/02
積読荘の住人
1
上中下3冊1400ページ余りをとにかくまとめきった。そしてシリーズの前2作ふまえてシリーズ3作3000ページ以上をしめくくる大ネタ(前2作の解決がひっくりかえることはないです為念)も入れた。とはいえ本作は実在した富士見産婦人科病院(所沢市)の事件・人物設定をふまえないと読者が病院長夫婦のリアリティにハテナをつけそうかな、というあたり弱点か。シリーズ3作通して読んでみると、『水の魔法陣』の盛りすぎ詰め込み過ぎな構成が一番おもしろかった。まずは『水〜』読んでみて、それが面白かったら『空〜』まで完走おすすめ。2025/08/17
NORI
1
懐かしの一冊。いや、3冊か。
アヴィ
0
長い魔法陣三部作もようやく終了。本作はこの作者のミステリーでは犯人の意外性においてトップクラス。とにかく全てがひっくり返る、だってそれじゃあ…となるが、全体の仕掛けを考えれば納得感が強い。そして後出しジャンケンみたいだが、なんとなくこのラストを予想していたのも事実。作者が最も充実した創作活動をしていた昭和50年代に出した作品群の中では確かに傑作かもしれない。2025/07/16