内容説明
食品保存や危害微生物の制御技術は、冷蔵や冷凍にのみ頼っているだけではなく、もっと余裕のある対策で微生物制御に対する安全ネットを張っておかないと危険ではないのだろうか。もし地震や台風などの避けることが出来ない災害の発生によって、長期間の停電などが発生した場合、単純に食品の保存ではなく、人に対して危害を与える有害微生物だけは、ほぼ確実に制御できる化学的技術を、個々の重要な食品については確立し、いつでも利用できる体制を作っておくことが必要である。それには、保存料だから使用しないと言っていたのでは、災害時のイザというときには、対応できないだろう。本書では、食品保存を目的とする化合物は、法定の保存料は避けて、食品危害微生物の制御を、保存料以外の化合物で達成するにはどうするかということを書いた。
目次
序論 食品危害微生物のターゲット制御―抗菌剤・日持向上剤の効果的利用
1 化学的食品微生物制御の目的
2 化学的な微生物制御に関係する各種の条件
3 有機酸の抗菌作用
4 食品危害微生物の化学的制御法の提案
5 タンパク質型化合物や乳酸菌体とそのタンパク性生産物の利用
6 その他の抗菌性化合物と製剤化による微生物制御技術
7 終わりに
著者等紹介
松田敏生[マツダトシオ]
昭和30年大阪大学工学部発酵工学科卒業。昭和31年上野製薬株式会社入社。食品技術研究所長(取締役)など歴任。昭和42年食品防腐剤の研究で工学博士号取得。平成4年同社退社。同年フードスタッフ研究所設立代表者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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