出版社内容情報
神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。
一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害のある少年・元哉は、佑紀奈の詩集を見てインスピレーションを感じる。
玲斗が二人を出会わせたところ瞬く間に意気投合し、思いがけないプランが立ち上がる。
不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。
待望のシリーズ第二弾!
内容説明
不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。
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- 評価
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
428
東野 圭吾は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 クスノキシリーズ第二弾、今回も東野 圭吾クオリティでした。作中絵本「クスノキと少年」も同時発売して欲しかったです。最近、街中で詩集を売る少女がいなくなった気がします。 https://www.j-n.co.jp/columns/706/2024/06/26
パトラッシュ
385
第一作はノンミステリ作品だったが、続編の本書は強盗傷害事件の犯人探しが核となっている。かなわぬ願いを抱えた事件関係者が、クスノキに引き寄せられるように神社へ集まってくる。その中心に位置することになった玲斗は、千舟の病に気を取られながら皆を助けようと動く。前作同様に本物の悪人は登場しないので犯罪心理小説とまではいかないが、不器用にしか生きられない人びとを結ぶクスノキの力で鬱屈を解き放たれて真相が明らかになる。迷い人に生き方を見つけさせるクスノキが、すべての人を幸せにする絵本をもたらすドラマは美しくも温かい。2024/06/30
bunmei
330
クスノキ・シリーズの第2弾。前作で神社の御神木であるクスノキの番人を務めることになった玲斗。人の念を預けるとその念を受けることができるという神秘な力を秘めたクスノキ。東野ミステリーの罪の裏には、常にやむにやまれぬ人間模様があって琴線に触れるが、奇跡的なファンジー要素を含む本作は、より温かみと切なさの両面を感じさせてくる。ある少女と記憶障害の少年との友情と共に、その2人を取り巻人々、そして窃盗傷害事件が玲斗が番人をするクスノキの不思議な力によって絡み合い、ラストには心が揺さぶられる結末へと導いていく。 2024/05/29
ノンケ女医長
322
何十年も前から、たくさんの小説を書きあげ、無数のファンを獲得されてきた著者。賞や名誉を受ける一方で、きっと、有名過ぎるが故に、作品に対しての意見や批判も多くあったはず。今作では、それらを受け留めた上で、現在の尖りやすい社会にどんなストーリーと言葉なら読み手の心がじんわり温まるか、前を向く希望を持てるようになるのかを東野圭吾が懸命に考え尽くし、読者に訴えかけている気がした。ある絵本で表現されるメッセージを読み、雷に撃たれた気持ち。私は残りの人生をより有意義に過ごすため、それを心に刻みたい。2024/06/09
うっちー
270
東野氏はミステリー作家だけではありません2024/06/17