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内容説明
深い精神性と倫理性を備えた文化国家・日本を世界に広めた名著『武士道』。平易な訳文とともに、その意義や背景を各章の「解説ノート」で紹介。巻末に「新渡戸稲造の生涯と思想」も付載する新訳決定版!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
33
平易な訳と補足、各章末の解説、新渡戸稲造の生涯と彼が生きた時代背景を記した巻末付録。入門書としてこれ以上は望めないだろう。 肝心の本文の内容に関しては、もちろん学びは大いにあったが、時代考証というメタ認知を抜きにしてはもはや考えられない代物だった。 だが、20世紀初頭という時代に世界に向けて日本の伝統思想を知らしめるために奔走した新渡戸は、真の傑物だったのだなと認識を新たにした。2019/08/13
U
26
軽くよんだもの。解説がわかりやすかった。慈悲は、純粋で自発的な心の動きで、⚪︎⚪︎すべきだとか、⚪︎⚪︎ねばならないだとかいう、戒律よりも重んぜられるもの。〈余裕〉とは、何があってもおかすことのできない、また受け入れ余地のある、絶対領域として、つねに確保しておくこと。先人に笑われないよう、うつわの大きい人間でありたい。2015/07/12
Lila Eule
8
広い学識と愛国心と札幌農学校仕込のキリスト教信仰をもとに、武士道がなんたるか、日本人の道徳がなんたるかを見事に説いていた。1899年にアメリカで書いて出版され、日本語版は10年近く後だ。見事な日本人論で、将来の武士道を危ぶむ下りは現代の日本人の変化にも通ずるよう。欧米キリスト教社会の自己中心主義的な偏狭、一方的な独善性をジョエットなる人の引用で看破していた。キリスト教徒が世界の紛争の火種を撒いたことを感ずる。一世紀前にルーズベルトに激賞され、欧米に日本を正しく理解させたとても大きな功績。盛岡生れだそうだ。2016/06/02
いまちゃん
6
名著を読んでみようかと思いチャレンジ。今の基準に合わすと「え…。」って思う部分もあるけど、昔なら普通のことだったのかな。現代の日本人でもそう思うんだから、当時の海外の人には日本人は奇異な人種にうつったことだろう。2016/12/03
らい
4
日本人の個性を除いてもなお残る国民性を自身の武家の生まれや膨大な知識から浮き上らせようとしたもの。「日本人」という広範すぎる範囲を述べようとしているから時差も相まって納得のいくことばかりではなかったが、それでも神道や武家社会を通過してきたというのは血液レベルで受け継がれ、今のぼくたちの道徳規範に影響を及ぼしているんだなということが考えてみると当たり前だがたくさんの事例からわかった。ただやっぱり武士道に拘りすぎかな、当てつけ感が拭えないところも感じた。2019/03/25