内容説明
七帝戦最下位脱出を果たし、北海道大学を中退した増田青年は、新聞社「北海タイムス」で働き始めるが、心は未だ柔道部にあった。常勝校・京大や新たに台頭してきた九大を破るべく血の滲むような努力を続ける吉田寛裕、中井祐樹ら後輩たち。その生命の輝きを前に、自らのこれからに迷う増田青年。俺はどう生きればよいのか。いまも戦う後輩たちに、あの頃の自分に、顔向けできるか。過去の後悔とどう向き合えばよいのか――。そしてついに、北大悲願の七帝戦優勝の瞬間が……。
熱狂的な支持を集める、灼熱の青春シリーズ3作目!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たいぱぱ
58
こんな…こんな結末ないよ…。神様、あんたが本当にいるのなら何故ふたりを…説明してくれよ。汗が霧のようにけぶる北海道大学の柔道場を舞台にした増田俊也さんの自伝的小説で僕は何度も泣いた。自分が何故泣いているのかわからないことさえあった。しかし3作目である本作で最期に流した涙は理不尽に対する悔しさと怒りだ。これは作り話ではない、現実にあったことなんだと思うと眠れないくらい心に傷を負った。真夜中に無言で泣いていた和泉さんの電話から僕も立ち直れない。当事者の増田さんたちはどう立ち直ったのか?今はそれを知りたい。2026/05/28
rosetta
34
★★★★☆この三巻目だけの感想を読まされてもなんにもならないと思うので、あえて言葉にはしません。ぜひ一巻目から順番に読んでください。どのキャラクターも愛おしくてたまらなくなります、見た目はむさい野郎どもなんだけどね。主人公が恋人に学内を案内する時、文系4学部の建物を示して「順番はわかんないけど」って言うシーンに、あぁ学内での文系の扱いってやっぱこんなもんなんだとトホホな気持になりました(笑)。しかしあのマサモトが回転寿司屋になっていたのか!2026/05/12
藤瀬こうたろー
28
寝技主体の高専柔道、そして七帝戦と呼ばれる旧帝大七校で争われる戦いに青春を捧げる男たちを描いた作品の3作目。増田さんは最後の七帝戦をもって北大を中退した後、新聞記者という仕事に人生の戦いの場を移す。その間、後輩たちは強くなっていき、IとⅡで描かれた増田さんのいた頃の最下位時代を脱してついには優勝を窺うまでに成長。仕事に打ち込みながらも北大のことが気になる増田さん。輝きを増す後輩、燻っている自分。OBとして顔を出すのも引け目を感じている感がある。そして歓喜、高揚、そしてまさかの悲劇。嗚呼、湖に星の散るなり。2026/06/17
いっこう
21
2日で一気読み!これまでの2作の続編ではあるが、感覚的には別の作品。だけども楽しく読めた。主人公の増田が社会人となり、過去と現在に葛藤するのが印象的。 続きありそう!2026/04/06
おおとろ|ストーリーテラー
19
☆☆☆☆☆ 【2026年度おおとろ名刺代わりの小説10選】青春は終わらない。ただ、形を変えて執拗に追いかけてくる。その厄介さを本書は静かに暴露する。 「七帝柔道記III 湖に星の散るなり」は、畳の上から社会という別の戦場へと移行したあとも、なお続いてしまう闘いの記録である。学生時代の熱狂は過去となり、代わって現れるのは組織、仕事、責任といった現実の構造だ。しかし奇妙なことに、あの寝技の感覚や絡みつき、耐え、機を待つという時間の使い方は場所を変えても消えない。むしろ社会の中でこそ、その粘性は増していく。2026/04/22




