内容説明
海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている
「新鋭短歌シリーズ」での初版刊行からちょうど10年。『緑の祠』以後の作品を増補し、五島諭の全短歌作品を集成した一冊。
「『緑の祠』に、高校の教員になったばかりのころの作品を加えた今回の改訂をもって、短歌の近くに身を置いた時代に、一区切りついたと感じている」(新装版のあとがきより)
【収録歌より】
ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった
物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋
怪物もきれいなほうがいいなあと夕陽に向かってかざす羽箒
身の丈に合わない品はかなしむに足る身の丈に合わない品は
栗の花蹴散らしながら行く道のどこかに君はいないだろうか
【著者】
五島諭
1981年生まれ。2000年早稲田短歌会入会。
同人誌「pool」、ガルマン歌会で活動。
目次
目 次
緑の祠
サウンドトラック
小説
ゴーヤを植えた
あした晴れたら
夕日へ
天狗蝶、捕まえました
身の丈
〈i〉をめぐって
同時通訳
パイロット
雲雀
ノルウェーにも持って行ったノートから
空についての考察
ヒエラルキー
喜怒哀楽
UFOキャッチャー
オレンジの歌
春の俳句
一コママンガ
酔ったというと
追加作品( 二〇一三~ 二〇一四)
長歌と反歌
私と職場
日当たり
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
7
平易な言葉を選びながら分かり易いとはいい難く、日常の視野を鬱屈した姿勢で凝視する。いわば、目に付いた範囲に置かれている手近なもので殴りかかってくるかのような、恒常的に続く止むに止まれぬ衝動のような何者か。納得したいと思わせる歌。/救われるということは何ベンチプレスする人々が窓から見える/買ったけど渡せなかった安産のお守りどこにしまおうかなあ/フォーク投げたくてボールを挟み込む指の力のようだよ鬱は/蟷螂の食べている蛾を蟷螂の視界へと飛び込ませた力/モスクワ発日本航空7便は濃霧のためになにもなせない2023/02/12
おひだい
2
「三毛猫はいつも退屈(地下街を抜け)三毛猫はいつも憂鬱」「物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋」「ゴンドラが緑の谷の上をゆく うれしさと不安の起源はおなじ」「ひとりでに世界が進化する夏のスプリンクラーひかりばらまけ」「信じても信じなくてもいいような巨大な数へ続く自転車」2024/12/17
楓
2
「ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこにいきたくなった」 「物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋」 「ひとりでに世界が進化する夏のスプリンクラーひかりばらまけ」 「自転車を押してゆく記憶したすべての夢をもう一度見る」 「海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている」2024/02/18
ひー
1
「BABY,BABY,NAVY BLUE 君の体の可能性[死]の隣にいたい」「ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった」「落ち着いて話がしたい長時間露光の星の写真のように」「雪の影ネイビーブルー語りだすのをためらっている人はただ」「夏の日の車輪は回るきみの目に車輪のような鬱を残して」2025/02/21
haji
1
とても好きなタイプの歌がたくさん入っている、でも何が好きなのか、何を良いと思ったのかがちょっとよくわからない。つかみどころがない感じがする2024/05/26




