内容説明
何ひとつ知りすぎたことないままにわれは二十歳になってしまいぬ
現代短歌新人賞と駿河梅花文学賞をW受賞し、映画化もされた小島なおの第一歌集が新装復刊。
【収録歌より】
こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空
もう二度とこんなに多くのダンボールを切ることはない最後の文化祭
講堂で賛美歌うたう友達のピアスの穴を後ろから見る
噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし
なにもないこともないけどなにもない或る水彩画のような一日
【著者】
小島なお
1986年、東京生まれ。青山学院高等部在学中に短歌を作り始める。2004年、角川短歌賞受賞。歌集に『乱反射』(現代短歌新人賞、駿河梅花文学賞)、『サリンジャーは死んでしまった』、『展開図』。千葉聡との共著『短歌部、ただいま部員募集中!』(岩波書店)。日本女子大学講師。信濃毎日新聞歌壇選者。
目次
目 次
緑の祠
サウンドトラック
小説
ゴーヤを植えた
あした晴れたら
夕日へ
天狗蝶、捕まえました
身の丈
〈i〉をめぐって
同時通訳
パイロット
雲雀
ノルウェーにも持って行ったノートから
空についての考察
ヒエラルキー
喜怒哀楽
UFOキャッチャー
オレンジの歌
春の俳句
一コママンガ
酔ったというと
追加作品( 二〇一三~ 二〇一四)
長歌と反歌
私と職場
日当たり
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
306
書肆侃侃房の「現代短歌クラシックス」の1冊。この歌集『乱反射』は角川短歌賞、現代短歌新人賞、駿河梅花文学賞を受賞し、つとに評価の高いもの。歌集の前半は小島なおが高校生の時に読まれている。「東京の空にぎんいろ飛行船 十七歳の夏が近づく」、「噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし」、「金木犀のにおいを浴びてのぼりゆく坂の上にははるかなる君」。いくつでも引用したくなる鮮烈な歌群である。後半は大学生になってからの詠だが、高校生の時の新鮮さには及ばないか。現代短歌は初めてという人にもお薦め。2024/03/28
livre_film2020
31
とにかく真っ直ぐ。こんな純粋な時期があったなあとむず痒くなった。しかし、思春期に感じる悩みや将来に対する漠然とした不安などもしっかりと31音に込められていて鳥肌が立った。ほか作品が絶版なのが残念。2023/07/02
双海(ふたみ)
15
青山学院高等部在学中に短歌を作り始める。2004年、角川短歌賞受賞。『乱反射』で現代短歌新人賞と駿河梅花文学賞を受賞。表題作は「噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし」。「なんとなくかなしくなりて夕暮れの世界の隅に傘を忘れる」「はつなつの若楓のきらめきてその下通る人ら美し」「霧雨のあたたかく降る夜ふけてわたしの体かぐわしくなる」私も高校生の頃に短歌を始めていれば良かったなー!2023/06/20
碧緑(あおみどり)
15
小島なおさん。高校生の時に角川短歌賞を受賞した天才少女が出した第一歌集の復刻版は手にとりやすいソフトカバー。字も大きく読みやすくてこのサイズ感がとてもいい。そして内容は最高にいい。私立の大学付属高校に通っていたからこその余裕のある状況から繰り出される短歌は、どれも季節や情景の一瞬をとらえて、映像や手触りまでも浮かぶようだ。若い人が経済的・時間的な余裕と(おそらく親譲りの)才能を持っているとこういうアウトプットもできるのか、とため息が出るほどうらやましい。いいなあ、余裕のある若者って。2023/06/10
門哉 彗遙
9
小島なおさんが高校から大学のときの歌。感性がすてきだ。 ▶︎こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空 ▶︎しわしわの体やさしく寝る象の背中からすべり落ちるセレナーデ ▶︎西日差す部屋の窓に置かれある椅子は溶けゆく脚のほうから ▶︎駐輪場の隅の桜は花びらをペダルに落とす風なく日暮 ▶︎エタノールの化学式書く先生の白衣にとどく青葉のかげり ▶︎霧雨のあたたかく降る夜ふけてわたしの体かぐわしくなる 2025/10/05
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