内容説明
立憲国家となった日本は,日清戦争,北清事変,日露戦争とほぼ5年ごとに大きな戦争を繰り返し,台湾と朝鮮という2つの植民地を獲得した.帝国議会が開かれた国内では,藩閥政府と民党のせめぎあいが続く一方,国民統合の動きも見られる.「輝かしい明治」像を問い直しながら,「大日本帝国」が姿を現した世紀転換期の20年を描く.
目次
はじめに――日本へ,アジアへ
第1章 初期議会
1 憲法実施の一挙
2 第一議会の攻防
3 積極主義への転換
第2章 条約改正
1 シベリア鉄道と日本
2 引き続く議会との対立
3 伊藤博文と自由党の模索
4 条約改正と帝国議会
第3章 日清戦争
1 協調からの離脱
2 朝鮮と日本の民衆
3 開戦へ
4 戦争の実相
5 終戦から戦後へ
第4章 台湾征服戦争
1 過酷な征服
2 「外地」の誕生
3 膨張の逆流
第5章 日清戦後と国民統合
1 「戦後経営」の出発
2 近代法体系
3 「戦後経営」の政治
4 国民統合の進展
第6章 民友社と平民社
1 戦争と底辺
2 文学と社会
3 ジャーナリズムの成熟
第7章 日露戦争と韓国併合
1 押し開けられた扉
2 日露戦争
3 講和への動き
4 戦争の記憶
5 韓国併合へ
おわりに――「輝かしい明治」論とナショナリズム
あとがき
参考文献/略年表/用語リスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんすけ
16
年表を読んでいるような気分になることも多かった。5年ほど前に読んでいるのだが、その時はそうした気分は生じなかったと思う。 明治憲法成立直後の国会が赤字財政に苦慮していたことが脳裏にあり、事象羅列のような叙述もさほど気にならなかったのかもしれない。 また中江兆民が国会を去った後は板垣退助や後藤象二郎などの民権を捨てたかのような行動ばかりが目に付いたのも確かだった。 そういうこともあり中断も考えていたが、日清戦争終了後の記述には興味を抱かされた。2021/03/03
fseigojp
16
日露の戦費の過半が外債だったとは知らなんだ かなり無理筋の戦争だった2020/07/17
中島直人
15
邪道な読み方かもしれないが、戦争を巡る政治経済状況よりも、藩閥政府が如何に議会の操縦に苦労していたかの方が印象に残った。2017/11/04
崩紫サロメ
13
日清・日露戦争及びその前後の政局・文化を扱う通史。日清戦争において、戦病死者が戦死者の3倍以上おり、またその後の台湾征服戦争でも多くの病死者が出ている。戦病死者は靖国神社や記念碑にもまつられることはなかった。また、台湾征服後、日本語教育を行うために徹底した表記的仮名遣いが生まれ、それが本国の教育政策に逆流し、近代日本語の創出につながったという指摘。京大農学部が台湾や朝鮮に演習林を持っていたことも初めて知ったが、まさに「帝国」大学だったのだと改めて思った。2026/01/24
まー
13
日本近代史を勉強し始めて間もないので生意気な事は言えないけど日本の総理大臣がコロコロ変わるのはこの頃から変わらないんだなと感じました2025/06/17




