岩波新書<br> シリーズ日本近現代史 4 大正デモクラシー

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岩波新書
シリーズ日本近現代史 4 大正デモクラシー

  • 著者名:成田龍一【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2025/07発売)
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  • ISBN:9784004310457

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内容説明

多彩な言論や社会運動が花開き,政党内閣へと結実した大正期.それは,植民地支配が展開する時代でもあった.帝国のもとでのデモクラシーは,どんな可能性と限界をはらんでいたのか.日比谷焼打ち事件から大正政変,米騒動,普通選挙,そして満州事変前夜に至るまでの25年の歩みを,「社会」を主人公にして描き出す.

目次

はじめに――帝国とデモクラシーのあいだ
第1章 民本主義と都市民衆
1 日比谷焼打ち事件と雑業層
2 旦那衆の住民運動
3 第一次護憲運動と大正政変
4 民本主義の主張
5 「新しい女性」の登場
第2章 第一次世界大戦と社会の変容
1 韓国併合
2 第一次世界大戦開戦
3 都市社会と農村社会
4 シベリア出兵の 末
第3章 米騒動・政党政治・改造の運動
1 一九一八年夏の米騒動
2 政党内閣の誕生
3 「改造」の諸潮流
4 無産運動と国粋運動
5 反差別意識の胎動
第4章 植民地の光景
1 植民地へのまなざし
2 三・一運動と五・四運動
3 植民地統治論の射程
4 ワシントン体制
第5章 モダニズムの社会空間
1 関東大震災
2 「主婦」と「職業婦人」
3 「常民」とは誰か
4 都市空間の文化経験
5 普通選挙法と治安維持法
第6章 恐慌下の既成政党と無産勢力
1 歴史の裂け目
2 既成政党と無産政党
3 緊縮・統帥権干犯・恐慌
4 恐慌下の社会運動
おわりに
あとがき
参考文献
略年表
用語リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

19
麻生副首相の失言で、デモクラシーの意味が問われる昨今。第一次大戦、いざこざ、戦闘の時代。地域秩序の担い手が運動者となり、根幹から立ち起こる運動(14頁)。上層商工業者は廃税運動を展開。上層でも危機に陥っていた社会的には壊滅寸前だったのか。追い込まれないと運動しない国民性なのか。吉野作造は、人民の利福、意嚮ということばで民本を位置づけようとした(28頁)。この時代の労働時間は、半日以上(63頁)。『女工哀史』である。河上肇『貧乏物語』(64頁~)。社会の大病なのだ。上田自由大学は長野大学紀要にあった模様。2013/08/01

yamahiko

18
力をつけた民衆の動向が歴史のターニングポイントにおいてどのように影響したか、改めて知ることができた。ただ、記述に少し荒い印象を持った。2017/04/07

coolflat

16
日露戦争後の1905年から1931年の満州事変前夜までの歴史。この時期は「大正デモクラシー」と呼ばれ、政党政治が実現し、社会運動が展開した時期として扱われている。1925年の『普選ー治安維持法体制』について。選挙権の付与により人々を『国民』として自覚させ、主体的に国家との一体化を促し、それに従わない者を排除。統合(普選)と排除(治安維持法)により選別的に「国民化」を図る。帝国の政策に批判的な人々に対し、参加し妥協しながら部分的な批判をするか、排除されながら全面的・原理的な批判をするかという難しい選択を迫る2015/12/22

長谷川透

9
大正の時代は短くも激動の時代である。本書は大正デモクラシーを軸に、大正の時代の出来事をコンパクトにまとめてあり、要所を押さえるだけであるのならば最適な書と言えるかもしれない。しかし読み物としては些か退屈で、大正時代のダイナミズムが全く伝わってこない。読み進めても一向に流れに乗り切れない。大して頁数がない本にも関らず何度も読書を中断し、読了までに数日間かかってしまった。とは言えこれらの不満は本書の文体に向けられたもので、構成や時代を切り込む視線に対して向けられたものではない。ただ面白みに欠けるだけである。2013/04/25

kenitirokikuti

8
図書館にて▲2023年の関東大震災から100年 のあれこれを学ぶため再読▲刊行は2007年刊行で、第一次安倍内閣のとき。民由合併から民主集中制政権誕生への前夜であった。今読むと行間にそういうムードを嗅ぐ▲「人民」ないし「民衆」に視点を置くと、自由民権運動も大正デモクラシーもモナーキーに圧殺されてゆくと括られるが、それはそれで社会運動と密過ぎる見解だよなぁ、というのが遠くなった過去への率直な感覚。あといくつか大正ものを借りる予定…2023/01/31

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