内容説明
大審問官の問い、ゾシマ長老の死……カラマーゾフ(黒塗)家の一族をめぐる壮大な愛憎劇は、やがて殺人事件へと向かう。〈巻末資料〉ドストエフスキー年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ディーン・ウィンチェスター
7
待望の江川訳の文庫化。まずは第2巻から読む。訳文が自分に合っているのか没入感が高い。米川訳、亀山訳より個人的には江川訳。注解も豊富で特に聖句の引用はこまめ。加えて訳者著「謎ときカラマーゾフの兄弟」の内容をコンパクトに詰め込んでくれてるのがとても良い。2巻の構成としても7篇アリョーシャで締めるのが気が利いている。大審問官→ゾシマ長老の説教→ガリラヤのカナの夢の3つが入っている。それぞれ重要シーンかつ面白い場面で、それぞれ関連性を持った章として読みたいので。またこの場面で読み終えると心地よい読後感を得られる。2026/03/14
犬猫うさぎ
2
三年ぶりに再読中。 *** イワン「ぼくは身近な人間をどうして愛することができるのか、どうやってもわからないんだ。ぼくに言わせると、身近だからこそ愛することができないんで、愛せるのは遠くにいる者にかぎるんだよ。」(156頁) アリョーシャ「あの方(ゾシマ長老)も、人間の顔は、まだ愛の経験を積んでいない多くの人々にとって、しばしば愛することの障害になる、とおっしゃっておいででした。」(156-157頁) 2026/06/04
のこのこ
2
1巻目から2巻目前半はマジで長く感じて(ついでにドストエフスキーの長尺にしたい欲求が伝わってきて)(同じことを悪霊でも思った)辛かったけど、2巻目でようやく展開が加速してきた。ドスト作品はほとんど共通して、まず全体の物語の1/3くらいはキャラクターや場面説明に時間を割くからその分退屈なんだけど、そのターンが終わって物語が走り出したら面白いのよね。2026/05/08
植岡藍
2
2巻の最後をアリョーシャの章で終えたかったんだろうな、と構成した方の気持ちが伝わってきた。大審問官、ゾシマ長老の説法、ゾシマ長老の死がひとまとまりであるだけに、内容の濃い一冊だった。ドストエフスキーの弁証法的な思考がそのまま物語として迸るように描かれている。アリョーシャに受け入れられなかったイワンの絶望がかなしい。2025/09/07
読書三餘
1
アリョーシャの心の動きを土台に、山場が幾つあることか。しかし『大審問官』は期待の遥か上空を飛行していった。叙事詩はつきぬけていた。イワンを謎と称した弟は、強大な霊峰に唖然としたか。一巻で破天荒に争ってみせたドミートリイとフョードル父子は、話の上でしか殆ど姿をみせない。長男坊に関しては一切である。つまりイワンとアリョーシャ兄弟の問答、「神の世界」の否定に多くが出力されている。罪人の列挙はお膳立てであり、覚悟があるのか問う兄にはやさしさがあろう。迷妄とした人間を創り出した「自由」なる元凶の、→2025/11/20
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