内容説明
近代の後に、そして近代の延長線上に大きな断絶が現れることを主題とした「現代篇1」ではフロイトからファシズムまでを論じた。次に探求すべきは「アメリカ」なるものの歴史的な意味は何かである。
熱心なキリスト教国でありながら冒涜的なまでに世俗的、平等を強く唱えながら差別的人種主義が根深く残る。トランプが体現する逆説のアメリカ。どう成立し、いかなる論理と原理によって存立しているのか?
アメリカ的なものへの過激な批判者ハイデガーがどうしてナチスに加担したのか、という問いから考察していく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
confusion_regret_temptation
25
哲学をベースにしているだけに自分には難解に過ぎるところも多かったがアメリカという国の掲げる自由と同時に孕む不自由、矛盾を炙り出してくれた。特にキリスト教に対するヨーロッパとは異なる信仰性やどうしても無くならない黒人差別感情など、大変興味深い内容だった。2025/10/06
chiro
3
トランプ第二次政権以降のアメリカはまさにcivil warが現実化するのではないかと思わせるしここのところの左翼への弾圧はそれを想定しての動きと思わせるものがある。著者はアメリカが抱える独自性を「なぞ」の視点から紐解いているがその中でも個人的に理解できていなかった黒人差別がなくならない点についてはかなり根深いものがあるのだと驚かされた。自由を標榜した国がその自由を捨ててうちにこもり自説を曲げない頑迷さで突き進むのであると世界は混迷を極めそうだ。2025/09/23
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/ec91d974-f7a8-4c9b-98ac-1fa7f11c38ff 2025/06/21