内容説明
花菱孝冬は、友人を通じて、根岸の貸し家に出る女の幽霊の相談を受ける。鈴虫の刺繍が施された単衣をまとったその幽霊は、家主によれば、以前住んでいた元娘義太夫・小鈴で、十年ほど前に肺炎をこじらせて亡くなっていた。小鈴には娘がいたが、義太夫の母を嫌って疎遠だったらしい。貸し家を訪れた孝冬と鈴子は、小鈴がじっと一点を見つめていることに気づくが……。ますます好調、大人気の大正浪漫悪霊退治ファンタジー第5弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
51
できればわか&由良のおでかけの様子も知りたかったり(由良は登場回数のわりにインパクトがあるキャラだと個人的には感じる)今回は理屈に合わない嫉妬からの幽霊騒動やらリアル鬼子母神ですかと思わせるような怪奇現象やら盛沢山。相変わらず不気味な八千代夫人。娘義太夫と亡兄の件で鈴子に相談もできず悶々とする孝冬。出会った当初からは孝冬はかなり変化した。相変わらず意匠についての細部までの描写が美しくて楽しい。次作は26年1月発売予定2025/05/18
sin
46
月鈴子/娘義太夫に堂摺連⋯まるでヲタ芸を披露するドルオタまがいの有り様はご愛嬌だが、こじらせた際の実害も同じ、マスコミの無責任さも現代と同じときては進歩がないこと甚だしい。星の川/過去の惨劇の悪夢⋯悪党の身勝手な思惑とは別に、待ち構える今に遺る妄執に鴻八千代の思惑が絡む。鬼子母の実/孝冬の兄、鈴子の仇⋯真実を求めて辿り着いた庭に柘榴の成る樹のある一軒家は、新たなる事実とその樹に隠された過去の犯罪を露わにする。調べを進める過去の事件と孝冬の兄の関わり、鴻八千代の立ち位置、物語の真相は如何に⋯。2025/06/13
こも 旧柏バカ一代
35
借家に女の幽霊が出るからと除霊を頼まれた夫婦。そこから始まる娘義太夫の没落の話。娘を呼び込む血濡れの幽霊はマジでゾッとした。執念は時と共に衰えないんだな。鴻心霊学は相変わらず不気味で、それに関連してそうな長男が何をするのが不気味。HPにて加筆。https://www.kashiwa1969.online/novel-hanabishi-5-review/2025/05/14
ぽろん
33
今回も二人の穏やかな日々は、束の間、だんだんと真相にも近づいている。神出鬼没な八千代が不気味です。2025/06/14
みい坊
33
浅草の事件の背景が薄っすらと見えて来た。銀六の事件に孝冬の兄は関係しているのか?謎が徐々に浮き上がったところで次回のお楽しみ。いゃ〜 来年まで待てませんよぉ〜。月鈴子、仲間の嫉妬から仕事を追われ、直向きに娘を思い生きた母。成仏する姿が美しいと思った。この人は淡路の君が好む霊では無いと納得。娘への執念を見せる父、鬼子母神をなぞるかのような母。淡路の君が好む霊は今回もゾッとするような業を背負っていたが、人をやっかみ悪意を投げつける人こそ1番怖いのかも。そして孝冬へ届いた雑誌。誰が裏にいるの。あぁ!気になる。2025/05/18
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