内容説明
山麓の町に暮らす十二歳の少年コンラッドは、魔術師である叔父から、「高地の貴族の館にいるある人物を倒さないかぎり、おまえの命は長くない」と言われ、その人物を探すため、魔法の渦巻く館に従僕として奉公に行くことになる。
同じときに従僕としてやとわれた、少し年上の少年クリストファーも、やはり別の目的を持って館に来ていた。
きらびやかな館の中でともに苦労しながら働くうちに、実はクリストファーは、別世界からやってきた強大な魔法使いだということがわかる。
二人は館の屋根裏で、異世界の不思議な塔に通じる扉を見つけ…?
「魔法のファンタジーを書かせたら第一人者」「ファンタジーの女王」と評価の高い、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの代表連作「大魔法使いクレストマンシー」の一作。
英国風の貴族の屋敷を舞台に、のちにクレストマンシーとなるクリストファーの十代のころの冒険を、年下の友人の目から描く楽しい作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
35
再読。子どもを利用しようとする大人たちの醜さがこれでもかと描かれている。完全に洗脳だよね・・・。明かされる真実に驚かされた!2024/02/27
たるき( ´ ▽ ` )ノ
35
コンラッド、いい子だなぁ。大人たちの陰謀、どす黒くて胸焼け気味。洗脳も魔術みたいなものだよね。恐ろしい・・・。2020/11/23
シルク
18
『ハウルの動く城』がむちゃくちゃ面白くって。この人の描く魔法の世界をもっと読んでみたいぜー! と、図書館に行ってみたら、流石大津市立図書館。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品はあらかた揃えている。大津市立図書館は、大きな図書館ではないと思うけれど、思わず「……むむ?」と鼻がぴくぴくする、良い香りが立ち昇るような本ばかり並んでいる。かなりの目利きがたくさんいはって、本を選んではるのではないか。……僕はホントについてない! 次から次と不幸ばかり起こって! 叔父さんは何もかも、僕が背負っている業故なのだと言う。2019/03/28
あんこ
14
再読。DWJはこのハチャメチャなのがいい。世界が捻れて混沌としているのに、愛嬌があるように感じます。クリストファーは少し鼻につくところがあるものの、この物語で彼の相棒となっている主人公のコンラッドが調和してくれています。それにしても、DWJのクレストマンシーシリーズの主人公になる少年たちは苦労人が多いですね。応援したくなります。2014/10/06
もちもちかめ
13
これには抜き書きするべき素晴らしい場面やセリフがあったわけではないけど、いちばん楽しくスルスル読めた。クリストファーの人物造形が素晴らしい!!2022/03/09