内容説明
両親をなくしたグウェンドリンとキャットの姉弟は、近所の魔術師たちの世話になって暮らしていた。グウェンドリンは将来有望な魔女で、自分でもそのことに自信を持っていたし、キャットはそんな姉に頼りきっていた。やがて二人は、大魔法使いクレストマンシーの城にひきとられたが、「子どもは魔法を使ってはいけない」と言われ、きちんとした暮らしをさせられることにがまんができなくなったグウェンドリンは、魔法でさまざまないやがらせをしたあげく、ある日姿を消してしまう。代わりに現われた、姉にそっくりだが「別の世界から来た別人だ」と主張するジャネットという少女の面倒をみなければならなくなったキャットは、頭をかかえる。やがて、グウェンドリンの野望の大きさと、キャットにしてきたひどい仕打ちが明らかになる事件が…?一九七八年ガーディアン賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
37
クレストマンシーシリーズの一冊。今回も楽しませてもらった♪グウェンドリンが恐ろしい・・・。なんでそこまで邪悪になれるのか、不思議なくらい。相変わらずのドタバタだけど、今回はすいすい読めた。2020/12/05
たるき( ´ ▽ ` )ノ
32
再読。時系列順の3冊目。グウェンドリンは凄まじすぎるし、キャットは無関心すぎる。突き抜けたドタバタ感が本当に面白くて癖になる!この作風、大好きだなあ♪2024/02/28
星落秋風五丈原
24
相変わらず、ダイアナ・ウィン・ジョーンズは女の子に男の子が振り回される 役回りですね。弟がエリックという名前なのになぜキャットと呼ばれるのか、 それさえわかっていれば、真相にもっと早く気がついたのに、私はジャネットと 同じ時に彼の秘密に気付きました。不覚です。 物語ですが、いつものようにジェットコースター 感覚で、最初から最後まですんなりと読めました。 ミリーとクリストファーの未来がこうなるとは思わなかったけれど、 ここまで来るまでの間のストーリーも読んでみたいものです。2002/03/20
もちもちかめ
20
グウェンドリンとキャットの暮らす世界では魔法使いがたくさん。人は魔法が使えると邪悪さが増すだろうという著者の確固たる信念を感じる。キャットなぞ死んでも構わない、という姉の強烈な意思を最後に感じ、姉に愛されたいために姉を信じていたかったキャットは初めて怒りを感じる。大好きだったシャープさんを実は「不正直で弱い人だ」と気づいたとき悲しみを感じたから、姉の愛情の無さに悲しみよりもっと深い、怒りを感じられたのだと思う。運命はちゃんとお膳立てしてくれているものだ。ジャネットは姉に依存しているキャットに不快感を示す。2022/02/12
tellme0112
15
トラウマを思い出す本。長い間姉に支配されていたので。支配されているときは自分が支配されているという自覚もない(あったら生きていけないしね…)というところ、キャットに共感する。恐る恐る読んだ。著者は虐待されてる子を描くのがうまくないか…?大人と子どもの分断。リアルではどんな家庭だったんだろうか。怖いよ…この本。明るく書いてあるけど、実は怖い本。グウェンドリンは、どのように育てられたのか。両親の子育てを疑う。あるいはそう育てざるを得ないほど貧しかったか…。もう一度読み変えそうとして、最初の一行にはっとする…。2020/06/12




