内容説明
魔法の呪文作りで名高い二つの家が反目しあう、イタリアの小国カプローナ。両家の魔法の力がなぜか弱まって、他国に侵略されそうな危機の中、活路は失われた“天使の歌”をふたたび見出すことしかない。だが両家の大人たちは、互いに相手方を責め、クレストマンシーの「危機は邪悪な大魔法使いのせいだ」という忠告にも耳をかさない。そんなとき、両家の子どもたちトニーノとアンジェリカが、「呼び出しの魔法」に惑わされて行方不明に。「子どもをさらった」と非難しあい、盛大な魔法合戦をくり広げる大人たちをよそに、トニーノの兄パオロとアンジェリカの姉レナータは、力を合わせて弟妹を探し始める。一方トニーノたちは、目覚めてみると、人形の大きさにされ、人形の家に閉じこめられていた…!?「魔法のファンタジーを書かせたら第一人者」「ファンタジーの女王」と評価の高い、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの代表連作「大魔法使いクレストマンシー」の一作。イタリアを舞台に、クレストマンシーと、呪文を作り、歌う人々が活躍するオペラのような異色作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
45
クレストマンシーシリーズを読むと、なんかスカッとする。しっちゃかめっちゃかな感じがたまらなく好き♪今回の舞台はイタリア。ポンテ・ヴェッキオが「古い橋」という意味だとは…。2021/02/21
たるき( ´ ▽ ` )ノ
31
再読。時系列順の5冊目。イタリアが舞台というだけでワクワクしちゃう♪内容的にはかなり重め。戦争なんてこの世からなくなってほしい。2024/03/05
さつき
21
クレストマンシーシリーズ。今回は別の世界にあるイタリアのカプローナが舞台。対立する二つの家の子どもたちが街の危機に活躍します。主人公のトニーノが自分には才能がないんじゃないかと悩みつつ頑張る姿が可愛いです。DWJの作品にしては展開がひねくれていない印象です。舞台背景を読んだ時に想像した通りの物語でした。多少、物足りなさはありますが大家族の暖かさや、動物キャラの独特さなど、らしさいっぱいで楽しいです。特に猫のベンヴェヌートの賢明で誇り高い様子、大公妃の臭気がするほどの悪意が印象的です。2016/02/11
はる
16
舞台がイギリスからイタリアへ。響き渡る歌声、騒がしく暖かい家族、これまでのシリーズになかった明るさが楽しめる1冊でした。賑やかな伯母さんたちが物語を彩っていました。今回も大活躍の猫たちも心強かったです。何百年も昔のもう誰も真実を覚えていないことで憎みあう2家族に、知らない間に戦争が始まり巻き込まれる市民たち。いつまでも争いが消えない世の中を表しているようで切なくなります。偏見や先入観が大人よりも少ない子供たちに幸せな未来が広がっていますように。2025/02/27
もちもちかめ
14
イギリス人から見たらイタリアは異国風で芸術文化的で(魔法の呪文は歌になっている!)呪文作りの一族は作曲家みたいなものという設定で、あこがれてるんだなーと感じた。今回の物語からの学びは、悪者は改心せず、悪者に操られていた大人が改心していくところ。その描写、勇気!勇気!と独り言を言う大の男になってる。しかも偉くてピカピカの服着てて。この彼の言い分、私は頭がおかしいしヘンなことばかり言うし忘れっぽいらしいな。でもやってないことをやったと言われたりその逆だったり。今までなら怖くて違うと言えなかった。2022/02/20




