内容説明
後宮に現れた美僧が凶事を予言!?
左大臣の息子である雅遠。右大臣派の父を持つ詞子。政敵同士の家柄ゆえに、自分たちの仲を明かすことができないふたりだが、密かに、そして静かに恋を育てている。しかし、詞子が憂慮するのは家のことだけではなかった。呪いを持つ鬼の姫と呼ばれている自分との関係が知られたら、雅遠の評判に傷がつくかもしれない……。
ある日、偶然手にした手紙に、後宮に現れた有髪の美しい僧が凶事を予言したと記されているのを見つけた詞子。その美僧は実家である二条の屋敷にも現れ、妹の艶子が占いを依頼したという。見目のよさも相まって女房たちの間でたいそう話題となっている美僧は、次第に後宮を騒がせるように。だが、その目的はわからず、怪しんだ雅遠は調査をはじめる。
そんな中、雅遠に縁談が持ち上がる。結婚話を強引に進めようとする母親に、詞子とのことを隠したまま抵抗しようとする雅遠だが……。
平安貴族たちの許されぬ恋を描く人気シリーズ第四弾。書き下ろし「柑子と狩衣」収録。
※この作品はルルル文庫『桜嵐恋絵巻 火の行方』 の加筆改稿版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
19
ある日、偶然手にした手紙に、後宮に現れた有髪の美しい僧が凶事を予言したと記されているのを見つけた詞子。次第に後宮を騒がせる美僧を怪しんだ雅遠が調査を始める第4弾。実家の二条の屋敷にも現れ、妹の艶子が占いを依頼したという謎めいた美僧の存在。そして雅遠の縁談話を強引に進めようとする母親に、詞子とのことを隠したまま抵抗しようとする雅遠。艶子との関係も少しずつ変わりつつある中、彼に持ち込まれる縁談が毎回残念な気もしますが、思わぬところから話が繋がって乗り切りましたけど、思い合う2人だけに上手く行って欲しいですね。2024/11/21
粋
6
今回もいいキャラが登場。続々と今後、詞子と雅遠に関わってくれる人が出てきますね。美形の僧侶もせっかくいいお力をお持ちのようなのでぜひ出てきてほしいものです。次が読みたくてしょうがないので、早く出ないかな。2024/12/05
イカまりこ
5
このシリーズの好きなとこ。悪役で出てきた人が改心して協力者の少ない二人の味方になってくれてるとこ。そういうキャラクターが増えるのでシリーズの内容を忘れて新刊読むってことが少ない。ああ、あの時のあの人だって思い出しながら読める。今回も雅遠の縁談話が起こる。もうさ、年齢に合った男女が少ないんだから、右も左も仲良くいこうぜなんて思ってしまうw 詞子と妹の関係が少しはよくなったのかな?父親の欲の被害者でもある二人。いつかは本物の母親を偲んでほしい。書き下ろしもよかったな~。雅遠はがさつだけど思いやりがある男だ。2024/11/25
ルーシー
5
シリーズ第4巻。美僧が後宮に現れるお話。 家同士のしがらみで公にできない二人の関係が動き出しそうな予感。一見ガサツ(無風流)なヒーローの優しさ溢れる書き下ろしも良かったです。2024/11/07
しおん
2
はやく次が読みたいです2024/11/29