内容説明
許されない恋を描く平安ラブロマン!
「――俺はそなたに、恋をしたんだ」
鬼を呼ぶ姫と呼ばれて恐れられ、家族が暮らす屋敷を追い出されるようにして、寂れた白河の別邸に移り住んだ詞子。歌も詠めない粗野な無骨者と言われ、出世の道も閉ざされたと噂される無位無官の公達、雅遠。居場所を見つけられなかった二人は、満開の桜の下で出会い、お互いを知ることでゆっくりと惹かれ合っていく。
逢いたい、好きだ、と真っ直ぐに詞子を見つめ、口にする雅遠だが、自分と関われば災いが降りかかるかもしれないと恐れる詞子は、同じ言葉を雅遠に返すことができない。しかも詞子の父は右大臣派で、雅遠の父は右大臣の政敵である左大臣。家柄を考えても、決して許されるはずのない想いだった。
ある日、雅遠の住む左大臣邸に盗賊が押し入り、雅遠が事件に巻き込まれてしまう。詞子は、ついに災いが雅遠を襲ったと思い、絶望のあまり気を失ってしまうが――。
平安貴族の切ない恋を描く『桜嵐恋絵巻』シリーズ第二弾! 書き下ろし「夏の夜の雨」収録。
※この作品はルルル文庫『桜嵐恋絵巻 雨ひそか』 の加筆改稿版となります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
鬼を呼ぶ姫と恐れられる詞子と無位無官の公達・雅遠。居場所を見つけられない状況から関係を育んできた2人が周囲の思惑に振り回される第2弾。わりとぐいぐい来る雅遠に好意を抱きながらも、なかなか素直に言葉を返せない詞子。父が右大臣派の彼女に対して、雅遠の父は右大臣の政敵・左大臣という構図も2人の関係を難しいものにしていましたけど、そのしがらみに縛られすぎない常識的な判断が、結果的に行き詰まっていた状況を打破するきっかけとなっていくのも面白いですね。一緒に幸せになりたいと願い始めた2人のこれからの展開が楽しみです。2024/08/19
粋
9
話も面白いし、詞子と雅遠の周りのキャラがいいから面白い‼️詞子はだいぶふっ切れていい方向に進み始めたし、雅遠はどうやら出世コースにのりそうだな。となると、弟と一悶着ありそうな予感。詞子と妹もありそうだな。詞子の周りに人が増え、雅遠にはいい師が出来たみたいだし、今後も楽しみ‼️早く続き出ないかな。今回も瑠璃と玻璃の猫コンビが大活躍‼️(笑)2024/08/26
イカまりこ
5
呪われていると言われ続けたせいで自分と関わると不幸になると思ってるヒロインだから、まだるっこしいっちゃそうなの。来てほしいけどほしくない、揺れる気持ちが歯がゆい。でもそんなこと全然お構い無しのヒーローで本当に助かるw なんだかこの巻はヒーローが柄本さんの道長に思えてきた。恋愛のもだもだした部分を盗賊退治の緊張感で引き締めてる。やっぱ無職のヒーローは心配だったわけよ。盗賊退治に一役買って無事職につけるらしいし、実は頭も良さげなヒーロー。ヒロインの青田買い成功ってことかしらw 新キャラもいっぱい増えて楽しい。2024/08/17
ルーシー
4
2人の運命が動き出してきました。 これからどうなっていくのか楽しみです。2024/07/12
よっしー
3
再読。とにかくヒロインの父親が最低なのが深山作品のお約束なのよね…。2024/12/16