内容説明
神保町の古書店に出ていた、長谷川町子の姉妹社の本。懐かしい揃いの本、七、八十冊には、タイムマシンの窓を覗いたように嬉しい、解けない謎を解くような喜びがありました――書評や選評のほか、博覧強記な文学の話題、懐かしい人、忘れ得ぬ場所、日常のなかにいつもある謎を愉しむ機知についてなどを軽妙洒脱に綴る、滋味あふれる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
北村さんの最近の作品が少しライトになってきたのですが、エッセイはやはり昔どおりというか、読ませるものが多いと感じました。とくに本関連や文学あるいは落語についての話は読んでいてあきません。鮎川先生のもとをたずねた訪問記などが楽しめました。2018/01/23
starbro
116
北村薫は、新作中心に読んでいる作家です。但し、エッセイは本書が初読となりました。著者の真面目さからか、エッセイは面白みに欠けるかも知れません。オススメは直木賞受賞関連のエッセイと以前選考委員を務めていた『山本周五郎賞』の選評です。2017/04/09
紅はこべ
99
ラジオへの郷愁が強い。現代に生きる作家として、そこまでPCやスマホに否定的になる必要ないんじゃないかな。根拠のない邪推だけど、北村さん、伊坂さんや道尾さんの才能は認めてはいるけど、ひょっとして、あまり好みのタイプじゃないのかも。2023/08/28
Aya Murakami
84
図書館で借りた本。 ネタバレする友人を「比類なき純粋さ」とタイトルつけてエセイの形にしていたのが作者のすごみを感じた。うちの弟をはじめとする一般人なら激怒して終わりです。そしてネタバレした作品を読んでその作者のファンになったことも…。本当に文章が好きな人だと感じました。2018/08/08
tomi
39
北村薫のエッセイと題されたシリーズ第3弾(2作目は未読)。書評、鮎川哲也ら作家たちの思い出話から直木賞の受賞エッセイまで多岐にわたるが、特に2期務めた山本周五郎賞の選評8年間分が収録されていて、選評をまとめて読む機会はなかなかないので興味深かった。2017/08/05