若い読者のための音楽史

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若い読者のための音楽史

  • ISBN:9784799112410

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内容説明

人間は常に音楽を作ってきた。音楽は私たちを感動させ、信仰、闘争、愛の物語を語ることができ、それは世界中のあらゆる文化に共通するものだ。
本書では、太古の祖先から今日の大量生産された歌に至るまで、ヨーロッパ、南米、アジア、アフリカ、そして世界各地に目を向け、音楽家たちが貿易や移住によってどのように結びついてきたかを明らかにし、植民地主義がもたらした多大な影響を検証する。
また、中世の聖歌、クラシック・オペラ、ジャズ、ヒップホップなど、驚くほど幅広いジャンルを網羅し、音楽の素晴らしさ、そしてなぜ音楽が世界中で大切にされているのかに光を当てる。
先史時代から現代まで、世界中の音楽を生き生きと魅力的に紹介するガイドブックである。

目次

1 音楽とは何か、そして何のためにあるのか
2 古代舞曲の影
3 歌う詩人
4 リュートと即興演奏
5 音楽と瞑想
6 ゴングが奏でる永遠の響き
7 リズムとコミュニティ
8 祖先の霊
9 ダンスとハーモニー
10 教会の歌、街の歌
11 熟考せよ、記録せよ
12 古い腐敗したもの、新しい考え方
13 作曲家が羽ばたくとき
14リュートと鍵盤楽器
15 教会改革、市民教育
16 征服、また征服
17 言葉を歌い、音楽を語る
18 劇的な音楽の魅力
19 さまざまな楽器とオーケストラの台頭
20 スター歌手とオペラという市場
21 宮廷および教会での作曲家の暮らし
22 啓蒙思想と革命
23 アフリカから連れてこられた奴隷、流行を追うヨーロッパ
24 舞台上で、そして頭の中で吹き荒れる嵐
25 「古典」の成立
26 芸術家は聖職者であり、未来を見通せる存在である
27 荘重にして軽快、崇高にして軽妙
28 家庭の内と外での女性演奏家の活躍
29 聴衆を見つける
30 自国へのあこがれ
31 西洋化と近代化
32 闇の中へ
33 光を求めて
34 ブルース、ラグタイムからジャズへ
35 ビッグバンドからビバップへ
36 弾圧への反抗
37 宝石をジャラジャラさせていただけますか
38 プロテストからポップへ
39 「グローバル・ヴィレッジ」の音楽
40 昨日、今日、そして明日

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

109
何ともユニークな音楽史である。407頁中、ベートーヴェンはやっと230頁で登場する。欧州中心の音楽観に囚われず、世界各地の音楽と歴史が説明される。音楽史で「奴隷の章」は珍しいし(アフリカ系奴隷の子孫であるサンチョやサン=ジョルジュという作曲家の名前を初めて知る)、女性の活躍(クララ・シューマン、シマノフスカなど)に一章を設けるなど、差別の歴史と音楽との関りも考察されている。ジョスカン・デ・プレ、グルック、E.バッハなどの重要性を強調するのも印象的。通常の音楽史を踏まえて読むと、突っ込みどころ満載で面白い。2024/10/27

松本直哉

20
もはや若くないが、読んだ。若い頃にこのような音楽史を読んでいたら、世界の見方がずいぶん変わっただろうと思う。西洋の裕福な白人の男性による彼らのための音楽史を書き換え、非西欧の、様々な人種・民族の、とりわけ女性の奏でる音楽、さらには体制に抵抗する音楽に目を配る。こうして俯瞰的に見ると、西洋の記譜法の発明が、消えてなくなる音楽の定着と伝承に役立つ代わりに、即興性や自発性という、音楽における根源的なものを滅ぼしてきたのではないかと思われてくる。ちょうど、口伝えの文芸が文字を得たときに堕落しはじめたのと同じように2025/04/24

みを

3
本書の特長はそのバランス感にある。人類の音楽の歴史を先史時代から現代まで描ききり、地域的にみても西洋からアフリカ、アジア、南米などを非常にバランスよく叙述しており、読み手にも理解しやすい。しかし、例えば1960〜70年代あたりで「サマーオブラブ」が潮流として現れた時代におけるテクノやハウスの役割が取り上げられていない点は、やや物足りなさを感じた。とはいえ、読み物として気軽に読み通せる文体も相まって、音楽史のストーリーを辿りたい読者にはうってつけである。2025/02/27

果てなき冒険たまこ

3
正直に白状しますが「あの」キングクリムゾンのロバート・フリップが書いた本だと思って読み始めたらちゃんとしたクラシック畑のロバート・フィリップさんの著書でした。まぁそれでも古代から最近のポップスや民族音楽まで幅広く取り上げてるので楽しく読むことができたのは助かった。なかでも宗教や政治が絡まない音楽は影響力があればあるほど難しいんだろうなと納得。個人的にはジョスカン・デ・プレを久しぶりに聴きなおすきっかけになりました。そういえばクラシック音楽ってカテゴリでは聴くけど時間順に考えたことなかったなぁ。2024/08/09

PapaShinya

2
パン教の授業で使ってる本っぽい。昔の本だと、クラシック中心の音楽史が正統みたいな扱いだったが、クラシック音楽は民俗音楽の1種みたいな認識になってきているので、もっと広い分野から音楽史を解説しているのは好感がもてる。ジャズやポップスもそれなりに解説してあるのも、最近の傾向。そしていわゆる前衛あるいは現代音楽を否定的に総括するのも流行り。訳者のバイアスがかかっているかも。調性音楽に回帰すればいいというものでもない。現代音楽が、ああなっちゃったのも、ヘヴィメタが、ああなっちゃったのも同じ原因・・という視点はない2024/12/09

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