若い読者のための文学史

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若い読者のための文学史

  • ISBN:9784799109410

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内容説明

いつの時代も物語が、私たちを取り囲む世界を明らかにしてきた

なぜ私たちはここにいて、どう生きればいいのか。あらゆる文学が、作家が見出した真実を答えとして提示する。
ホメロス、チョーサー、シェイクスピア、ディケンズ、オースティン、エリオット、オーウェル、カフカ、村上春樹、J・K・ローリング――。
本書では、社会に衝撃を与え、商業的に成功し、後世の書棚に残った魅力的な作品を、たっぷりの情報とともに面白く語り尽くす。

目次

第1章 文学とは何か/第2章 すてきなはじまり――神話/第3章 国民のために書く――叙事詩/第4章 人間であること――悲劇/第5章 イングランドの話――チョーサー/第6章 街頭演劇――ミステリー劇/第7章 詩聖――シェイクスピア/第8章 本のなかの本――欽定訳聖書/第9章 縛られぬ心――形而上詩人/第10章 国民の興隆――ミルトンとスペンサー/第11章 文学は誰の「もの」?――印刷・出版・著作権/第12章 フィクションの家/第13章 旅人の法螺話――デフォー、スウィフト、小説の興隆/第14章 読み方――ジョンソン博士/第15章 ロマン派の革命家たち/第16章 研ぎ澄まされた精神――オースティン/第17章 あなたの本――変貌する読者層/第18章 巨人――ディケンズ/第19章 人生文学――ブロンテ姉妹/第20章 毛布の下で――児童文学/第21章 デカダンスの華――ワイルド、ボードレール、プルースト、ホイットマン/第22章 桂冠詩人――テニソン/第23章 新しい土地――アメリカとアメリカの声/第24章 偉大なる悲観論者――ハーディ/第25章 危険な本――文学と検閲官/第26章 帝国――キプリング、コンラッド、フォースター/第27章 不運な国歌――戦争詩人/第28章 すべてに挑戦した年――1922年とモダニストたち/第29章 彼女自身の文学――ウルフ/第30章 すばらしき新世界――ユートピアとデストピア/第31章 仕掛けの箱――複雑な語りる/第32章 ページを離れて――文学と映画、テレビ、舞台/第33章 不条理な人生――カフカ、カミュ、ベケット、ピンター/第34章 壊れた詩――ローウェル、プラス、ラーキン、ヒューズ/第35章 色とりどりの文化――文学と人種/第36章 マジック・リアリズム――ボルヘス、グラス、ラシュディ、マルケス/第37章 文学の共和国――境界のない文学/第38章 罪悪感のある快楽――ベストセラーと金儲けの本/第39章 誰が一番?――賞、採点、読者グループ/第40章 文学とあなたの人生――そしてその向こう

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Sam

50
「若い読者のための」シリーズ。「経済学史」がいい本だったので読んでみたが、本書も(若くなくても)ちゃんと楽しめて勉強にもなる良書だった。何といっても肩肘張らず筆者自らが楽しみながらに書いているところがよい。決して網羅的ではないが一応「文学史」なので神話や叙事詩から説きシェイクスピアを始めとした大作家たちが取り上げられていくが、こうした作家論や時代を代表する主義・思潮のみならず、出版・著作権や検閲、ベストセラーや乱立する文学賞の功罪といったテーマにも触れている。なお、日本人作家としては唯一村上春樹が登場。2021/10/03

ともっこ

20
海外文学好きなら堪らなくわくわくさせられる。 最初から通読するもよし、自分が気になっている本や作家を索引からピックアップしその前後を読む読み方でも楽しい。 「何を読むかは人生の大問題だ」2021/05/27

あきあかね

19
 神話や叙事詩といった文学の萌芽から村上春樹のような現代の作家、電子書籍の台頭まで一冊で文学の歴史を俯瞰する。ただ生きるだけでなく、心を豊かにする物語をどの時代の人びとも求め続けてきたのだと思うと、なんだか安らぎを覚える。 著者の出身のイギリス文学のウェートが大きいが、本書は作家や作品の細かな知識よりも、一生をかけても読みきれない文学の海を前にして、その航海を愉しむための姿勢、道標を伝えることに主眼があるので、どの作家や作品が取り上げられるかはさして重要ではないだろう。⇒2022/09/18

アヴォカド

13
お話のような語り口で、楽しく読める。(訳者あとがきにもあるように)確かに、え?サマセット・モームはなし?とか、アフリカは?韓国は?とかもあるが、ホメロスからファンフィクションや電子書籍まで触れてるのだから、多少の荒さは致し方ない。読みたい本、再読したい本がまた増える罪な本ではある。2021/03/07

れなち

11
「文学史」なんて途方もなさそうなテーマだけど、主に英文学、とくにイギリスに焦点を絞ることで視界がクリアになっている。筆致は極めてライトで、時系列に沿いつつも話題別の構成になっているので、リラックスして英文学の世界に親しめた。英文学の歴史は源氏物語や徒然草の伝統がある日本とはずいぶん異なっていて、小説よりも詩や演劇に重きを置いている印象。さすがシェイクスピアの国というか。作品からの引用が多いのは単なる読書好きの私にはうれしいところ。古い英詩を、韻を踏みつつ現代日本語訳する訳者の仕事もすごいと思った。2021/07/10

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