内容説明
航空主兵主義を採用した連合艦隊による、大艦巨砲主義の米海軍撃退には限界が見えていた。米海軍の新鋭空母や新型戦闘機の登場は、連合艦隊の航空優勢の維持を困難なものに変えつつある。
もはや日本に残された道はただひとつ。
かの日本海海戦に匹敵する大勝利をもって、米国を講和会議の場に引き出すのだ。
クェゼリンを奇襲し米本国からの増援を断ち切った上で、米太平洋艦隊の根拠地であるトラックへの攻撃を開始する連合艦隊は、航空基地に大打撃を与えて制空権を得たものの、かの「赤城」「長門」「陸奥」の三戦艦をたった一隻で圧倒してみせた世界最強戦艦「オレゴン」を中心とした米海軍主力艦隊は未だ健在である。
はたして、この最後の戦いに勝利を得て戦争終結への道筋をつけられるのか?
「報告では、空では我が軍が優勢、海ではアメリカ軍が優勢とのことです。特に、アメリカが戦線に投入した新鋭戦艦の威力は凄まじく、我が国が世界に誇ってきた二隻の戦艦『長門』『陸奥』が子供扱いにされてしまったとか」
駐英日本大使 吉田茂
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竜王五代の人
3
43年7月、日米決戦(と、いうか米艦隊を掃討する戦い)の後半戦と、9月の講和とエピローグが描かれる。日本軍三コ機動部隊の前に次々と沈んでいく米軍艦艇(オレゴンも、航空攻撃で力を発揮できなかったのだから例外ではない)。この戦争を元寇になぞらえ、独立を守ることが最大の戦果と強調する山本五十六の演説が一番の見どころだったと思う。なんだかんだ言って、経済的な重荷となる軍備と南洋諸島、政治的な重荷となる満州国を強制的に下ろしてもらえて、日本には利になったのではなかろうか。2024/11/17
アオイ模型店
3
シリーズ完結編。アメリカ側の往生際が悪いというか「戦艦同士の戦いに航空攻撃で水を差す日本は卑怯だ」みたいな感じなのは、最後まで大艦巨砲主義を捨てられなかった「鋼鉄のリヴァイアサンになっていたかも知れない世界」のアメリカだからなのか? 最終的にアメリカが和平に応じたのは、ヨーロッパとの関係が悪化して二正面作戦が不可避と判断したからなんだろうけど、どっちにしろこの情勢では数年以内に東南アジアの植民地を巡って大きな戦争が起きるだろう? 世に言うほど、現代の架空戦記は日本軍勝ったバンザイでは無いよなぁ2024/08/04
くましろう
0
久しぶりに横山氏の架空戦記を読みました。登場人物すべてに名前を付けることと、「ナントカ一番了解」×3 的な会話が多いのが最近の横山氏の作風なのかなと思いました。個人的には話の展開に繋がらない情報量が多く感じ、冗長に感じましたが、これは読み手の好みなのでしょう。とまれ、設定された「世界観」を楽しみました2024/10/18
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