内容説明
新川帆立大絶賛! 創作大賞2023(note主催)「別冊文藝春秋賞」受賞作
「号泣しました。様々な痛みを抱えて生きる人々を、そっと包み込んで肯定してくれる優しい作品です。」――新川帆立(作家)
★感涙必至のお仕事ミステリーが誕生!★
~元看護師の著者が送る、命の物語~
完治の望めない人々が集う長期療養型病棟に務める看護師・卯月咲笑。ある日、意識不明の男性のベッド脇に見知らぬ女の子の姿が。それは卯月だけに視える患者の「思い残し」だった――。彼らの心残りを解きほぐし、より良い看護を目指したいと奔走する日々が始まった。ナースが起こす小さな奇跡に心温まるお仕事ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
249
『「思い残し」みたいに、患者の内面を視てしまうというのは、果たしていいことなのか、わからなくなる』。『患者が「思い残していること」が視える』という『一種の能力』を持つに至った看護師の卯月。この作品には、卯月が六つの短編でそれぞれの患者さんの近くに視える『思い残し』と対峙していく姿が描かれていました。看護の現場を十三年にわたって見続けてきた秋谷さんのリアルな”お仕事小説”に魅せられるこの作品。まさかのファンタジーがそんなリアルと対になる面白さを感じるこの作品。秋谷さんの思いを感じるファンタジーな物語でした。2025/12/26
Karl Heintz Schneider
147
卯月は横浜にある青葉総合病院の長期療養型病棟に勤務している看護師。彼女は患者が「思い残していること」が視えてしまう。それが視える時その患者の最期が近いことが多い。今日もまた意識不明の男性患者のベッドのそばに十歳ぐらいの女の子が。著者は看護師として10年以上病棟勤務した経歴の持ち主。ところどころで語られる看護師あるあるが興味深い。「ナースステーションを出るまでは決して口にしてはいけない言葉。『今日は平和だね』それをうっかり口に出してしまうと必ず何かが起こると看護師界隈では都市伝説のように語り継がれている。」2024/06/22
タックン
140
ナースの卯月さんは長期療養型病棟の看護士で、その命を悟った患者さんの(思い残し)が視えるという。忙しい看護の仕事のかたわら患者さんの(思い残し)の原因を探っていく。読んでいくうちに(思い残し)が視えるようになったエピソードがわかったが辛いなあ。 でも表紙絵のように可愛いながら凛としたナースの卯月さんが、上司や先輩や後輩たちと悩みながらも前向きに淡々と看護の仕事に勤しむ姿は微笑ましいし応援したくなる。 特に後輩の悩みを真摯に明るく前向きに答える姿に好感を抱きました。最後の病棟での結婚式に涙腺崩壊。2026/04/14
おしゃべりメガネ
131
読メでお気に入りさんが絶賛していた作品で手にとりましたが、期待を裏切らない素晴らしい一冊でした。主人公は残念ながら完治が望めない患者のいる長期療養型病棟に勤める5年目の看護士「卯月」。彼女には稀な特殊能力があり、普通の人には見えないモノが見えてしまいます。それは患者が何かしら気にかけている'思い残し'のものに。そんな患者のキモチに少しでも寄り添い、心おきなく旅立てるよう奮闘する彼女の姿にココロうたれます。ある意味、ファンタジーテイストではありますがテーマ的にはあくまでも生死なので、シリアスでもあります。2024/12/31
yutaka
103
完治の望めない人々が集う長期療養型病棟に勤める看護師・卯月咲笑は、死を覚悟した患者の「思い残し」が見えるようになる。患者の心残りを解消し、より良い看護を目指して奔走するようになるが…。 序盤は、何か話の掘り下げが浅いというか、各話があっさり終わる感じがしたが、中盤からはいい感じに感情も揺さぶられて良い。透子さんの「オペ室にいた時は、患者さんの死は負けだと思っていた」云々の件は本当に共感でき、仕事って結果だけでは無いよなって改めて思った。2025/02/07




