30歳からの漢詩エントリー - それは「どう生きるか」を考えること

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30歳からの漢詩エントリー - それは「どう生きるか」を考えること

  • 著者名:山口謠司【著】
  • 価格 ¥1,936(本体¥1,760)
  • 株式会社dZERO(2024/04発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784907623692

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内容説明

大人の教養、知性の最高峰、時空を超える異才たちの文学。その「漢詩」の魅力と読み方を一冊に凝縮。

絶望の中に生きた陸游、破壊された長安で酒浸りの日々を送った杜甫、「値千金」で有名な蘇東坡、中国人をうならせた漱石、共産主義活動に挫折した河上肇の漢詩を取り上げながら漢詩が包含する「知」と「情」の世界を解説。漢詩が学校教育で軽視されていることへの問題提起も。

漢文や漢詩を読むために必要な基礎知識は、はっきり言ってありません。あるとすれば、「自分がどう生きるのか」を考えることが、漢文や漢詩を理解し楽しむ道を作ってくれるでしょう。―本文より

【著者】
山口謠司
中国学研究者(専門は文献学、書誌学、日本語史など)、博士(中国学)、大東文化大学名誉教授、中国山東大学客員教授。1963 年、長崎県に生まれる。イラストレーター、書家としても活動している。

著書に、『妻はパリジェンヌ』(文藝春秋)、第29 回和辻哲郎文化賞を受けた『日本語を作った男―上田万年とその時代』(集英社インターナショナル)、『ん―日本語最後の謎に挑む』(新潮新書)、『唐代通行『尚書』の研究―写本から刊本へ』(勉誠出版)、『文豪の凄い語彙力』(新潮文庫)などがある。

目次

序 章 時空を超えて共振する
音によって感情を共有/文明を「編集」した孔子/「よこしまな思いのない詩」とは/知の『詩』、情の『楚辞』 他

第一章 陸游、絶望のなかのユートピア
泡沫のユートピア/千年前の溜め息/きっといつかは桃源郷に/むなしさを埋めるための九千首 他

第二章 漱石、東洋的理想郷への希求
江戸の終焉とともに/不連続の連続/死を意識して/「隠逸」という理想/「則天去私」へと続く道 他

第三章 杜甫、生きるためのラブレター
五言絶句の奇跡/四千年に一度の出会い/破壊された長安で/漢詩の原点 他

第四章 蘇東坡、「楽しむ」へのこだわり
左遷と豚肉/文人一家と保守・革新の攻防/「所有」を問う/文人の願い 他

第五章 河上肇、共産主義と挫折と
共産主義という理想/ユートピアはどこにある/社会を変革するか、社会から逃げるか 他

終 章 古代中国の「心」を探る
数学との共通点/書き捨てる文とは違って/音を並べる技「平仄」/意味を深める技「対句」 他

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kuukazoo

11
去年『いつかたこぶねになる日』を読んでから漢詩について知りたいと思い続けていたが、たまたまとっつきやすそうな本を見つけたので読んでみた。取り上げられているのは陸游、杜甫、蘇東坡、夏目漱石、河上肇。それぞれの作品を紹介しつつその生涯と彼らにとって漢詩を作るとは何だったのかを解説。漱石が俳句だけでなく漢詩も作ってた(それも晩年)ことや共産党の印象しかない河上肇が獄中で漢詩を研究し出所後実作もしていたことなど初めて知ること多く興味深かった。陸游の「莫 莫 莫」は強烈な印象。漢字だけの世界はわからないが惹かれる。2025/01/13

えつ

10
読みながら、漢詩が苦手だったことを思い出した。全体的に読みやすさはあったけど、没入はできなかった。漢詩はダメだ…向かないらしい。もう30歳は過ぎているけれど、まだわたしには早かった。また10数年後とかに読んでみたい。2024/10/10

tharaud

4
漢詩の世界への入口を探している中で出会った。ここで紹介されている漢詩は、詩人が何らかの断念を通過したあとで書かれたものが多く、30歳というのはたしかにその魅力がより理解できるようになる年齢かもしれない。しみじみとした漢詩の魅力を教えてくれる良書。2024/04/29

4じゅうから

2
漢詩を題材とした人生訓が語られる。詩の原文と書き下し文を見やすいようにページ割したため若干読みづらいが、読後の満足感は大きい。紹介されている詩人の人生は、皆平坦なものでない。時代背景もあろうが、むしろ不遇な人生を辿っている。特に陸游の人生は波乱万丈で正視もできないほどであるが、そんな中にあって、『贈猫』に見られるような詩人の温かなまなざしに心を打たれる。これまで、陶淵明、李白を好んで読んできたが、陸游の詩を掘り下げてみたくなった。 また、平仄と韻の話にも興味を持った。漢和辞典を買いに出かけることにしよう。2024/10/29

路地裏のオヤジ

2
「漢詩は目を閉じ外的な世界を遮断して自分だけの静謐な世界に浸ることができる空間」2024/10/13

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