内容説明
歌仙とは長句五七五と短句七七を交互に三十六句連ねる連句の一形式である。誰かが何かいえば、そばの誰かが何かいう。さらにまたそばの誰かが、というおしゃべりで作り上げる井戸端会議の文学なのだ。恋の悩みあり世界情勢あり、ゴシップあり宇宙論あり――。読売新聞に連載されたコラム「四季」の二〇二一年四月から一年分を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
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著者の読売新聞の詩歌コラム「四季」を毎年一冊にまとめた「四季のうた」のシリーズ。連載がもう二十年になると知って、時の流れに驚くとともに、朝日新聞に三十年近く連載された大岡信の「折々のうた」と並ぶ、ひとつの文化のように思えた。 選句・選歌のよさが魅力的であり、たった三行ほどの解説も、わずかな言葉が無窮の世界を表す俳句のように、胸に染み入ってくる。遥か遠くになったあたたかな記憶があれば、自然が垣間見せる一瞬の神秘がある。⇒2024/07/15
テイネハイランド
17
読売新聞のコラム「四季」2021/4~2022/3。10(首/句)まとめて紹介する箇所では、四月の野中亮介「ぜんまいの月の中まで伸びあがる」「春の月桶をあふれて天にあり」、七月の佐々木幸綱「うまれきてはじめての正月 しろ犬のテオのちゃわんにそそぐわかみず」「テオのめがさんかくになりにんげんをみあげる そうだ右のみちへいこう」「おもいつきたることあるらしく二階からいそぎおりくるテオとであえり」が印象に残りました。芭蕉、蕪村などは選びつくしたのか今回は少なめで、本書では「誹風柳多留」の作品が目立ちました。2024/05/11
skr-shower
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他地区図書館本。毎朝楽しみにしている読売新聞”四季”。今も昔も想う事は変わらないのだなと実感する。2024/11/04