内容説明
詩歌の言葉を探すとき、心は想像力という翼に抱かれて時空に遊んでいる。どの言語であれ、人類は太古の昔からこのようにして詩歌を紡いできた。正岡子規が近代俳句の方法として提唱した「写生」からは脱落した、詩歌創造の現実を忘れてはならない――。読売新聞に連載されたコラム「四季」の二〇一五年四月から一年分を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pirokichi
23
『四季のうた』シリーズの第十集。2015年4月から翌年3月の一年間、読売新聞に連載された詩歌コラム「四季」を収録したもの。著者はまえがきで、俳句や短歌を作るときには子規が提唱した「写生」だけではなく、想像力の重要性を説いている。特に印象に残ったのは次の通り。「生ビールネクタイすつと外しけり」(小沢麻結)、「水無月の風は瑠璃色だと思ふ」(小林すみれ)、「茄子漬の色移りたる卵焼」(藤井あかり)、「大風や金魚もつともひるがへり」(石田郷子)、「かかる世に替へしわれらの命かと老いざる死者の声怨みいふ」(岡野弘彦)2025/03/28
不識庵
10
名のある歌人俳人から市井の人まで、広く選集された作品である。勅撰集のころよりつづく試みである。作品に添えられた編者の評も、詠む人の心のうちに思いを馳せている。さらに作品を味わい深くしている。「報われぬ努力があると知った夏」詠み人は高校生。敬意を表する。私がそのことを知ったのはもっと後だから。「置き去られし記憶のやうな しんとしてハマナス咲く真昼間なりき」そうか、子供のころの古いフィルムのカラー写真は、ややセピアだな。2018/01/01
てくてく
4
読売新聞に連載した詩歌コラム「四季」にもとづく『四季のうた』シリーズ第10集。著名人から子どもまで幅広い俳句や短歌などを紹介している。「どちらまでお出かけですかすずめさん わしもわからんかもめ人生(いち木の子)」「この駅よりさらに支線に乗り換へて田舎へ還る英霊かなしも(川田順)」「もの言はぬ妻恐ろしや胡瓜もみ(趙栄順)」2018/01/19
Hanna
2
2015年4月から1年間『読売新聞』に連載した「四季」を収録したもの。フランスの短歌会などの作品も収録されていて、なかなかおもしろいものも。2024/05/01
とむ
0
想像力は人にのみ備わった能力。その想像力を使って言葉を紡げば、宇宙を舞う翼が手に入るだろう。2022/05/31
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