内容説明
これが犬村ファンタジー戦記の到達点!
「全ての色彩を重ね合わせると、白になる。ぼくが作るのは、全ての種族がひとつにまとまった『白き国』だ」。
異なる種族同士が争いをつづける葡萄海。頭部に猫耳を持つ「ミーニャ」族が支配するガトランド王国の第二王子トト・ガトランドはある日、敵対する黒薔薇騎士団から人質として送られた少女アルテミシアと出会う。はじめは心を閉ざしていたアルテミシアだが、トトや仲間たちとの交流を経て、徐々に笑顔を取り戻していく。しかし人間とミーニャの間には根深い差別意識があり、淡い恋心を抱きはじめたトトとアルテミシアにも残酷な運命が降りかかることに……。
甲冑に身を包んだ騎士が率いる大軍、海原を埋め尽くす帆船艦隊、「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」の聖珠を持つ八剣士、瘴気機関を轟かす機械兵、高度五百メートル限定の「浮遊圏」を飛ぶ飛行艦隊――「とある飛空士」シリーズ、「プロペラオペラ」の犬村小六が圧倒的筆力で描く、かつて誰も見たことのない戦場と恋の物語。
「いかなるとき、いかなるところ、万人ひとしく敵となろうと、あなたを守る楯となる」。
唯一無二の王道ファンタジー戦記、開幕。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
42
めっっちゃ面白かった! 様々な種族がいる世界で繰り広げられる戦争は異なる異能を引き出す八つの聖珠に加えて、様々な因縁が絡み合うことで戦況が変化していく展開は読み応え抜群で。そんな中で種族を越えた絆が生まれたかと思えば、物語の舞台となる猫耳を持つミーニャのガドランド王国は窮地に立たされて。 犬村ファンタジーの到達点という謳い文句通りの濃密な序章でした。これは続きが楽しみです。2024/04/22
こも 旧柏バカ一代
41
里見八犬伝のような聖珠。『仁』『義』『礼』『智』『忠』『信』『孝』『悌』。それを巡っての戦争が起こる。今回登場したのは、『仁』『礼』『忠』『孝』『悌』の5つ。『仁』は溶岩の鳳凰を相手にぶつけれる。『礼』は己の命を代償に相手を癒す。『忠』は相手の動きを鼓動の回数に合わせて止める。『孝』は風を操り船の動きを補助し。『悌』は重力を操り身体を軽くして空中で動く。特に『忠』は所有者が立て続けに死んでおり不吉な珠だと思われているが、、全員、忠義に厚い者じゃ無いじゃん。新しい珠の取得者も、、傭兵だもんな。。2024/05/20
よっち
38
異なる種族同士が争いを続ける葡萄海。猫耳を持つミーニャ族のガトランド王国の第二王子トトが、黒薔薇騎士団からの人質アルテミシアと出会うファンタジー戦記。繁栄する王国でトトたちと打ち解けていったアルテミシアが過ごしたかけがえのない日々。トトが語る全ての種族がひとつにまとまった理想の白き帝国の夢、その裏で年月を掛けて着々と準備されてきた謀略。覇道に向けた第一歩が、思ってもみなかった形で崩壊してゆく衝撃的な展開にはもはや言葉もなかったですが、様々な因縁も積み重ねられていく中でのリスタートには期待感しかありません。2024/02/16
ホシナーたかはし
30
改めて。戦記物でヘヴィなラノベ。戦争で必ず発生する「戦勝国」「敗戦国」「人種」大日本帝国でもやらかした「改宗」を取り上げており、今の情勢を考えると危険。キツイ、主要キャラ死にすぎと珍しい作風で、面白いけど読む人を選ぶし、ルルがジャンジャックの母親に関する等の複数の伏線の回収をどうするのか、次巻を順調に早めに出さないと読者にそっぽ向かれそうな気がします。2024/03/19
TERU
24
めっちゃ面白い! 超待望の犬村先生の新作という事で凄い楽しみだったのですが...ヤバい。ほんと犬村先生は壮大な物語の幕開けを描くのが上手すぎる。 本作はファンタジー戦記。異なる種族同士の争いが続く葡萄海において、頭部に猫耳を持つミーニャ族が支配するガトランド王国から物語は始まる。とにかくネタバレ厳禁な展開なのでこれ以上の情報は入れずに読んで欲しい。1巻から500P越えの特大スケールですが、全く気を抜く暇もない展開の連続でページを捲る手が止まらなくなりました。2024/04/04