内容説明
嘉応二年(一一七〇年)。朝廷が行った強制移住で近江の国に生まれ育った蝦夷のシレトコロは、まだ見ぬ本当の故郷―奥州―を想っていた。十三歳の春のこと、三条の橘司信高と名乗る男があらわれ、シレトコロは奥羽に連れて行かれる……。それは、後の源義経の影武者とするためだった。一方、鞍馬山の牛若は、「あなた様は、源氏のお血筋。平家を打倒し、天下に名をはせるお人」という言葉によって剣術の稽古を続けていた。そして〈遮那王〉と名乗ることになった十六歳の牛若は、奥州平泉に向かう決意をする。壮大なスケールで、新しい義経を描ききった、歴史小説の金字塔!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
61
全四巻の第一巻。義経には「影」が二人いたという設定。影の一人、蝦夷の沙棗(さそう)の視点で語られる。この巻は、義経が鞍馬山から出奔して平泉で暮らした後、頼朝の挙兵に加わり一の谷で手柄を挙げるまで。ひたすら頼朝を慕う義経、平泉の滅亡を予感し苦悩する秀衡、源平朝廷全てを倒し平等の世にしようと動く橘司。最近、奥州藤原氏を描いた「炎立つ/高橋 克彦」を読んだので、登場人物の描き方をどうしても比較してしまう。この先に待つ悲劇。義経はどう生きれば良かったのだろうか。そこに作家それぞれの想いが込められるのだろう。2021/03/28
myunclek
19
長く積み残していたけど、ようやく手にとった。四冊という長編でもあり、後でやって来た新刊に次々に追い越され埃を被ってました^o^帯にあるように嘘っぱちが真実を超える面白さ。今日で四分の一を楽しませてもらいました。初読みの平谷美樹なかなか良いぞ。二へ。2015/08/07
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
8
帯の高橋克彦の推薦文を見て、全巻購入したのは正解でした。源義経と東北藤原氏の滅亡を語る、いや騙る偽史小説。コレを原作として、大河ドラマにすれば傑作が出来上がると思うけど、蝦夷を主役に据えるのはまだNHKにはできないかぁ…2011/07/07
Stella
4
義経によく似た顔の蝦夷の青年を主人公に、源平争乱を描く。1巻は一の谷が終わって義経が官位を受けるところまで。 三勢力のルーツに製鉄の民を置こうとするなど、伝奇的な要素がある。2012/01/25
ayu
4
義経の影武者に焦点あてた小説。義経の大まかな行き様はだれでも知ってるのを上手く利用したお話の進め方。ただしここの義経はあんまりチャーミングじゃない。 2011/10/03
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