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内容説明
永らく国境を閉ざしていた謎の独裁国家「サバキスタン」はある日、国境を開放した。偉大なるサバキスタンの栄華を世界に伝えるため、世界各国のジャーナリストたちが招かれた。その日、同国では全国民から敬愛を受ける国父、リーダーである「同志相棒」の葬儀のリハーサルイベントが行われようとしていた。サバキスタンの工場に努める女性・ハーモニーもその名誉あるイベントへの参加を許されたひとり。彼女は喜びと誇らしい気持ちを胸に会場となるスタジアムへと向かった。
同志相棒に招かれた世界的ジャーナリストのアンリ・パスカルもまた、宮殿内で同志相棒から歓待を受けていた。すべてが豪華絢爛で見事に設えられた奇妙な空間の中、アンリ・パスカルはふと戯れに、庭にある一本の木の枝を折ってしまう。その木は若き同志相棒が植樹した神聖なものであり、それを傷つけることは大罪であった…。
架空の独裁国家における不自由や弾圧、陰謀、歴史の改ざん。そして人々の真実を求める心、抵抗、愛する国への願い――。迷える大国・ロシアから届いた、自由の意義を問いかけるアンチ独裁グラフィック・ノベル!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつのおすすめあにめ
4
ロシアのウクライナ侵攻や、北朝鮮のミサイル発射など、現実とのリンクがあまりにも強いが犬の国のお話なのですよね。「いや~、こんな国があったらやだねえ」とフィクションとして消費できる日がくるのか。2024/01/15
Myrmidon
4
うお、面白いぞ。ロシアのコミックスで、架空の独裁国家が舞台。犬やトカゲなどを擬人化した登場人物や、ある種のSF的ギミックで毒消しがされているが、内容は暗くて重い。そして、この作品が2019~2022年のロシアで描かれたということの意味をどうしても考えてしまうよね。2023/11/15
ももいろ☆モンゴリラン
3
色使いが異国のものだなあと感心する。表現者に「反戦ですね」とか「政治色を出さないでほしい」というファン(?)がいるって読んだことがあるんだけど、表現者だからこそ反戦を訴えて政治色をださねばどうするんじゃいと思う。2023/08/20
YS-56
3
完全なる袋小路。理想は2000年前に置き去りにされた。2023/08/12
たけのこ
2
おもしろっ。ロシア発のグラフィックノベルで比較的読みやすいです。知識がないので的外れかもしれないのですが、人間をイヌの姿で描いた共産主義独裁国家の物語です。イメージはどっちかというと隣国のあの国の感じにぴったりでした。なかなか稀有な題材で興味がつきません。2023/09/13