内容説明
黄表紙をはじめ洒落本、読本、滑稽本、合巻など江戸の戯作界のあらゆるジャンルを開拓し、確立した山東京伝を中心に、経済事情や政治体制、風俗など江戸の社会を読み解く。
目次
はじめに―山東京伝の略歴
第1章 山東京伝と江戸の草双紙(黄表紙)
第2章 江戸の大衆小説草双紙
第3章 山東京伝の黄表紙ヒット作『心学早染艸』―言葉の誕生、善玉・悪玉
第4章 戯作者山東京伝の出発
第5章 江戸の総人口―江戸の経済と江戸文学を考える上で
第6章 江戸の経済概説
第7章 黄表紙『金々先生栄花夢』の史的意味
第8章 寛政の改革と山東京伝の黄表紙
著者等紹介
棚橋正博[タナハシマサヒロ]
昭和22年(1947)秋田県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科(日本文学専攻)博士課程(前期)修了。博士(文学)早大。専攻・日本近世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
3
読書ペースダウンの元凶を、やっとこさ読破。 時代小説の多くの舞台、江戸後期。その期の人々は、どんなだったのか、どんな本を読んでいたのか、その辺りを少しでもかいま見たい、と手にしました。結果はというと、冒頭の通り。初見のことばかりで、読んだ端から忘れてしまい、読み終えたことのみが、収穫と言うありさま。 それでも、読んだかいはあった、と負け惜しみでも、言いたいです。善玉・悪玉という言葉は、山東京伝「心学早染艸」が起源とか。それにしても、この期の著者名、作品名は、ふりがななしでは読めないものばかりです。2012/07/03
山がち
0
山東京伝の作品それ自体にもっと立ち入って欲しいという気持ちも一方ではある物の、実際には江戸の経済の分析や人口の分析はこの手の物にしては非常に丁寧なように思われて、面白いものであった。また「心学早染艸」をはじめとして、一つ一つの作品は生き生きと描かれている。載せられている貧乏神の図版は非常に面白い物がある。作品の背景や影響などい力点が置かれているため、これらを頭に入れながら実際の作品を手に取って見るのが一番面白いように思われただけに、できれば一作くらい翻刻を入れて欲しい様にも思われたが紙幅の問題で仕方ない。2013/10/23
サチ
0
論文のために。2018/08/03