内容説明
江戸の料理屋「千川」で料理人として働くきよ。一人前の料理人を目指して精進を重ねていたある日、良き競い相手だった彦之助が独立し、己の店を持つことになった。「彦之助が店を持てるのならば、自分だって……」と揺れる心を持て余していたある日、母から帰郷を促す文が届く。実家に帰れば、店を持つ後押しをしてもらえるかもしれない――誘惑に駆られるきよ。一方で、彦之助は自分の店の奉公人とうまくいかず、信頼できる相手と働きたいと、きよを己の店に引き抜こうとして……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
88
あの兄弟、おきよを料理人として取り合ってるのも嘘ではないと思うけど、明らかに女性としてもだと思う、、 あと、何で読んだか忘れたけど(美味しんぼ?)、「先代と同じレベルになっても常連客は同レベルとは感じてくれない。先代と比べて一段上に行って、やっと同じレベルになったと感じてくれる」みたいなのを読んだことがあって、それって真実と思ってて、だから、弥一郎さんはすごいんだと思う。2023/06/05
タイ子
85
シリーズ第4弾。江戸の有名料理茶屋「千川」で弟と働くきよ。元々弟のお目付け役で江戸に出てきたきよだが、料理に対するあくなき探求心と料理好きが高じて店には必要な者になっている。そこに京都から帰ってきて弁当屋を営む次男の彦之助がいよいよ独り立ちをすることに。だが、雇った奉公人と気が合わないと替えていく彦之助。きよに来てもらいたい熱望が増す中で、彼女の夢と今の存在が葛藤を始める。そして、彼女が出した結論は…。板長の背中を追いながら成長していく、きよ、伊蔵の姿は嫌味なく微笑ましい。2023/06/07
ゆみねこ
71
シリーズ第4弾。きよの良きライバル彦之助が独立して弁当の店を持つことに。いつかは自分の店を持ちたいと思っていたきよの心は揺れ動く。逢坂の母からは帰郷を促す文も届き、彦之助は自分の店にきよを引き抜きたいと思う。きよは千川で働くことを強く願い、より一層の精進をと努力する。しめ鯖の3人の勝負と神崎の判定が素晴らしい!次巻はどういう展開になるか続きが楽しみな1冊。2023/08/27
真理そら
60
良きライバルとして見ていた彦之助が独立することになった。ライバルがいなくなる寂しさと独立できることへの羨ましさで、きよの気持ちは乱れ気味。その上母からは帰阪して店を出すようにとほのめかす手紙も来て…。一方、彦之助は親が探してくれた奉公人ともうまくいかず、信頼できる相手と働きたいと、きよを引き抜くことに決める。「千川」の店主夫婦の親バカのせいで振り回されるきよと板長・弥一郎。結局和やかな雰囲気でまとまったけれど、彦之助かわいさからのさとの言動はきよだけでなく他の従業員も傷つけそうな気がしないでもない。2023/04/23
らび
31
江戸で料理人修業に励むきよの成長を楽しみにしてるので純粋に恋模様はあってもいいけどそちらに傾く塩梅は控えめでいい。これ誰かがきっかけで思わぬ方向に行きそうで、何となく匂わせるのは興ざめ。しかも兄弟やん。。けど修業ってある意味生涯修業って考えもあるしどうなんだろう。所帯もって夫婦で切り盛りもりもありかな。まあシリーズが続くと変化球も必要よね。2023/06/06
-
- 電子書籍
- 黒い魔女と白い聖女の狭間で ~アラサ…
-
- 電子書籍
- 血の繋がらない私たちが家族になるたった…
-
- 電子書籍
- 第8監房 ちくま文庫
-
- 電子書籍
- 陽子さん、すがりよる。(2)
-
- 電子書籍
- 河童の懸場帖(かけばちょう) 東京「物…