角川文庫<br> ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く

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角川文庫
ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く

  • ISBN:9784041130797

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内容説明

アラカン(61歳)の家政婦さん。
子どもを救うためにニューヨークへ……密航!?

61歳のハリスおばさんと親友バターフィルドおばさんは夫を亡くしロンドンで家政婦をしている。お隣のヘンリー少年が里親に殴られていると知り、彼を実の父がいる米国へつれていきたいと願うが、貧しい2人には無理だった。ところが得意先の社長夫妻のニューヨーク転勤に同行することになりチャンス到来。無謀にも少年を密航させようとするが…。いくつになっても夢をあきらめない大人たちの物語、第2弾。今度は恋も? 解説・矢崎存美

ハリスおばさんの暴走は、強い信念に基づいている。ギャリコ作品に共通するテーマとも言えるものです。それは、「人を信じる」という力。人々は流れる忙しい日々の中で、「人を信じる」ことを少しずつ忘れていきます。ハリスおばさんのように自分の人生を明るく照らしてくれる人なんて「いるはずがない」と思い込んでしまうこともしばしばあります。でも、人はきっと、彼女のような人が「いる」と信じたい。忘れても、「人を信じる」力すべてがなくなるわけではないから。「人を信じる」力があれば、自分を信じることだってできるから。―矢崎存美(作家)解説より

※本書は、1980年12月に刊行された『ハリスおばさんニューヨークへ行く』(講談社文庫)を、現代向けに加筆修正し、角川文庫化したものです。原題:Mrs Harris Goes to New York

【絶賛の声】
「ミセス・ハリスはフィクションの偉大な創造物のひとつであり、彼女と知り合いだと感じるほどリアルで、本当に不思議な存在だ。彼女の魅力は尽きない」(ジュスティーヌ・ピカルディ)

「ギャリコの魔法に屈しないことはほとんど不可能だ」(タイムズ・リテラリー・サプリメント)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆのん

72
【シリーズ2作目】善意、好奇心、チャレンジ精神の塊のようなハリスおばさんが今作ではニューヨークへ。あまりにも酷い境遇の少年を救うために奮闘する。前作よりも多くの人が関わってくるからか目的達成までに大きな壁が立ち塞がる。パワフルなハリスおばさんが辛い気持ちになるのが読んでいて悲しくなったが、またしても人々の善意に助けられて最後はにこやかに読み終えた。新たな出会いもありまだまだ続いて欲しいシリーズ。2023/05/29

あやっぴ

27
こうと決めたら有言実行。ハリスの思い切りの良さは見ていて清々しくなる。困難な場面にあっても、その人柄からみんなが一緒になって知恵を出し、解決策を導いてくれる。巨大な街で、ヘンリーの父親を探し出すという途方もない行動。それが徒労に終わっても、その一つ一つが別の意味での実りになった、そう考えるハリスを私も見習っていきたいな。2023/09/01

くさてる

27
世話好きでおしゃべりで、度胸もあるけど時に考えが足りず、なによりもやさしく親切でハートがある、働いて生計を立てている立派な職業婦人のミセス・ハリスの冒険譚。読んでいて本当に楽しい。悪役以外は善人ばかり、親切はすべてを救う、そんなお話ですが、現実のエッセンスを垂らすことも忘れない、大人の童話です。1950年代のニューヨークの風景まで目に浮かぶような描写も良かった。こんなのただのおとぎ話、と片付けられそうだが、おとぎ話でなにが悪いの?と笑顔で応じてみせましょう。好きだなあ。2023/06/06

昼夜

18
思いきりのよさとバイタリティが持ち味のミセス・ハリスは今度は近所の子を助けるために友だちのバターフィルドさんを巻き込んで思い立ったが吉日とニューヨークへ旅立ちます。人柄の良さと行動力が前回は上手く回ったけど、今回は出鼻からケチがついて回ってるのを見ているとパリが懐かしく思われました。2023/06/12

ごへいもち

18
パリよりはだいぶ落ちるけれど気楽な読書。次も新訳のきれいな本で読みたいな2023/07/16

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