角川文庫<br> ミセス・ハリス、国会へ行く

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角川文庫
ミセス・ハリス、国会へ行く

  • ISBN:9784041141465

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内容説明

アラカン(60歳すぎ)の家政婦さん、国会議員に立候補!?
『あんたも私も楽しく生きなきゃ』でホントに当選できるのか??

何歳になっても夢をあきらめない、奇跡と勇気と愛の物語、第3弾

ロンドンの家政婦ハリスおばさんは、ある晩、運転手のベイズウォーターさんらと討論番組を見て政治について熱く語る。それを思いの外にほめられ気を良くするが、翌日お得意さんで政界の大物ウィルモット卿にもたっぷり演説したら、選挙に出ないかと誘われ、あれよあれよという間に立候補することに。しかし、実は卿にはあるたくらみがあって…。『あんたも私も楽しく生きなきゃ』の標語(スローガン)で本当に当選できるのか??シリーズ第3弾。解説・君塚直隆

ハリスおばさんは、ロンドンの高級住宅街に顧客を多く持つ、通いの家政婦さんである。イギリスは現在でも階級意識が強い。おばさんはそのようなイギリス階級社会でも底辺に近いところにいる、まさに「庶民」「大衆」のひとりであった。そんなハリスおばさんが『あんたも私も楽しく生きなきゃ』という選挙スローガンで国会議員選挙に打って出るという設定は、当時としても破天荒なものだったはずである。その姿は、ともすれば殺伐として他人のことなど思いやれない当時の世相に対する痛烈な皮肉になっていたのかもしれない。――君塚直隆(関東学院大学教授)解説より

※本書は、1981年11月に刊行された『ハリスおばさん国会へ行く』(講談社文庫)を、現代向けに加筆修正し、角川文庫化したものです。原題:MRS HARRIS MP

【絶賛の声】
「ミセス・ハリスはフィクションの偉大な創造物のひとつであり、彼女と知り合いだと感じるほどリアルで、本当に不思議な存在だ。彼女の魅力は尽きない」(ジュスティーヌ・ピカルディ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆのん

45
【シリーズ3作目】テレビで政治家が話すのを観ていたハリスおばさん。庶民の生活が苦しいのは政治が悪いと考えたおばさんはお客さん宅で演説をした事により選挙に立候補する事に。まんまと腹黒い政治家に利用されてしまう。いつも明るく、元気で好奇心旺盛な愛すべきハリスおばさんのシリーズ最大の危機。おばさんの友人・ベイズウォーターさんのおばさんに対する愛情の深さに感動する。巻末にはおばさんの時代の政治の解説もあり、当時の様子をある程度は理解して読めた。暖かい物語の中に風刺もきいていて今回も楽しい読書時間だった。2025/01/16

くさてる

16
ロンドンの家政婦おばさん、ミセス・ハリス。人情に厚く人にやさしく働き者で、可愛らしい人柄がとにかく魅力的なのだけど、これまでの作と違い、舞台が政治とあっては、おばさんの魅力だけで万事うまくいく、というわけにはいかず。ちょっと苦味が残るところはあるけれど、もちろんそれで終わらない展開なので、読後感は悪くなかったです。2024/03/16

ムーミン2号

13
今度はハリスおばさんは国会へ行く。国会へ行く、と言っても物見遊山ででかけるのではない。下院議員に立候補し、いずれ国会で「あんたも私も楽しく生きなきゃ」という演説を一発かましたろ、という目論見である。まぁ、もちろん、それを仕掛けたヤツがいるわけで、政界の腹黒いオッサンのせいなのだ。ハリスおばさんは見事当選するのだが、その腹黒オッサンは当選までは望んでいなかった。その大きすぎる齟齬は、ハリスおばさんに最大ダメージを与えてしまう。救う神もあるのだけど、ギャリコ作品は楽しい、面白いだけでない奥深さもあるものだ。2024/01/10

6
ミセス・ハリスが国会へ!?何か物申しに行くのか?と思ったらまさかの展開。さすがです。励まされる。2023/12/29

いっこ

5
「ミセス・ハリス」シリーズ第3巻。前の2巻を読んでいないため、ミセス・ハリスの魅力が今一つわからなかったが、最後の選択は賢明だった。ウィルモット卿の企みは、日本におけるタレント議員擁立の裏話みたいで、ベイズウオーターさん、ミセス・ハリスを大切に思うなら早く教えてあげればよかったのに。隅々まで階級意識が溢れていて、滑稽に感じるところもあるくらいだった。2024/04/25

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