台湾の少年4 - 民主化の時代へ

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台湾の少年4 - 民主化の時代へ

  • 著者名:游珮芸/周見信/倉本知明
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 岩波書店(2023/04発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000615488

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内容説明

七〇年代,蔡焜霖(さいこんりん)は大企業の國泰グループに新たな活躍の場を得て,美術館の設立や百科事典の創刊に携わる.皜介石の没後も「戒厳」は続いたが,次第に政治運動が盛んになり,時代は民主化へ向かって激しく揺れ動く.だが緑島に収容された人びとの名誉回復がなされるまでには,さらに長い時間が必要だった.シリーズ最終巻.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

台湾の少年4 民主化の時代へ
年代記
さらに物語を読み込むために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

106
蔡焜霖は40歳。1970年代の台湾は国際社会から徐々に閉め出されていく。1975年蒋介石死去。1979年後ろ盾だったアメリカが北京の中華人民共和国と国交を樹立。蔡焜霖は國泰生命保険グループに就職するが、日本から来た明治生命・原一平氏の通訳を務めたことから再び逮捕される。1987年戦後から続く戒厳令が解除され、1996年李登輝総統が直接選挙で選出された。その後国民党と民進党の2大政党の民主主義が確立した。蔡焜霖の有罪判決が取り消されたのは2018年10月。実に68年を経てのことであった。台湾の歴史マンガ。2023/02/07

あたびー

34
'70年代に入り大企業に就職することが出来た焜霖。語学に堪能な彼は色々あてにされるが、そこにも警察の目が光っている。'79年の美麗島事件では依然として沢山の犠牲者が出るなど、台湾の民主化は、政権が蒋介石一族の手を離れるまで実現しなかった。その後李登輝の元で民主化が進められると、焜霖たちは国民党外と決めつけられた人々がどんな目にあったかを伝え、人権を取り戻す活動を始める。日本でも被爆者や空襲経験者の口が重かったように、辛い記憶を辿るのはどんなに苦しいことだろう。2025/05/28

Roko

29
台湾はずっと他の国に支配され続けてきました。李登輝総統以降、民主国家として歩み出した台湾ですが、中国本土からの圧力は強く、現在はとても微妙な関係になっています。台湾は、明らかに中国とは別の思想で成り立っている国です。でも中国は台湾は中国の一部だとして、忠誠を求めてきます。これからの台湾がどうなっていくのか? とても難しい問題ですが、とにかく台湾の人たちが平和に暮らせることを祈ります。2024/11/29

Sakie

15
様々な由来を持つ人々のごた混ぜであるところの台湾は、国民党の抑圧政治の後、李登輝による改革を経て、歴史の黒塗りや発言の制限がなくなり、政治の話を大っぴらにできるようになった。そして自ら決められる政治を勝ち得た。台湾の民主主義は生まれたてなのだ。日本の"与えられた民主主義"とは違うと感じて、まぶしく思った。しかしそこに至るまでの苦難は、この物語の蔡焜霖氏に見たように、人々の人生を権力が捻じ曲げ、数多の命を奪うほど激しいものだった。今またきな臭いことになっているが、民主主義を信じる人々がいれば戦えるのだろう。2025/08/13

ruki5894

12
もしも、きみこさんから語られる物語を本にしたなら、違う物語になっていたことでしょう。あの時代に蔡焜霖と結婚して子どもを産み育てた。きみこさんのお話も聞きたかった。最後の病室のシーンはフィクションだそうだが、穏やかに最後まできみこさんと手を繋いだまま。4巻読み応えありました。2023/08/12

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