内容説明
一九五〇年,無実の罪で逮捕された蔡焜霖は,激しい拷問に遭い,自白を強要されると,政治犯として離島・緑島(ルビ:りょくとう)に送られる.強制労働に従事し,「再教育」を受ける長くつらい十年間,支えになったのは家族の手紙や,同じように収容された人びととの友情だった.白色テロの深い傷を描いた台湾の傑作歴史コミック,第二巻.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
台湾の少年2 収容所島の十年
年代記
さらに物語を読み込むために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
32
台湾も韓国も民主化に至る道は日本よりも時間がかかっている(日本は本当に民主化なっているのか?と言えばどうも自信がないが)。ここで描かれているのは朝鮮戦争中〜後時期のレッドパージで、共産主義に対して過剰な警戒を敷いている台湾政府の犠牲になり収容所送りになった青年たちの姿である。主人公蔡焜霖は無実の容疑で家族と引き離され10年の刑を言い渡される。過酷な環境下で生きる希望を失わないようにしながら命を繋ぐ主人公には感服するしかない。右も左も行き過ぎれば同じ。その事がよくわかる。2025/05/14
Roko
28
普通の学生だった焜霖が捕まるなんて、それはただの冤罪です。刑務所の中は、彼と同じように捕まってしまった人ばかりなので、もめごとなどは起きません。それだけが救いだったのかもしれません。自分の手柄のために無実の人を捕まえたり、殺したりする人が世界中にいるのですね。それがどんなに愚かなことなのか、わからない人たちが、今も同じようなことを続けています。人間とは、なんと愚かな生き物なのでしょうか。2024/11/13
Bo-he-mian
18
日本ではあまり知られていないが、台湾の現代史を語る上で欠かせない言葉に「白色テロ」がある。戦後、共産党との内戦に破れ台湾へ逃亡した国民党政権が行った「赤狩り」の事で、「100人を誤殺してでも、1人も逃すな」という、スペインのフランコ政権の「ビバ・ラ・ムエルタ(死よ、万歳)」の如き非道の方針のもと、冤罪、捏造、誤審、監禁、拷問、自白強要などで無数の人々が、収監はもとより処刑された暗黒の時代が何十年も続いた。これはその冤罪によって10年もの間収監され、後に児童文学の編集者になる、蔡焜霖氏の実話の漫画化である。2023/03/31
Sakie
13
台湾側から歴史を見ると、日本が退いた後、中華民国(国民党)が本土から逃げてきて、次いで中華人民共和国(共産党)が支配の手を伸ばした。蒋介石(国民党)が反乱を恐れて取り締まりを指示、白色テロ時代が始まる。根拠の薄い手がかりで拘束し、拷問によって自白させ、収容する。過酷な労働を強制し、思想を強要する。または処刑する。この図式は古来から権力者によって繰り返されるが、果たして彼らは結果に満足するのだろうか。ますます疑心を募らせるだけで、きりもない。猜疑、萎縮、悲嘆が蔓延して、社会には停滞しかない。帯は蔡英文。2025/07/12
Midori Matsuoka
13
高校で読書会に参加してたことが反乱を計画していた非合法組織に加担していたという謂れなき罪をなすりつけられ10年間の服役生活を強いられる蔡焜霖氏。 生きていて良かったと思う一方で本一冊ではおさまりきらない苦しい日々を思うと胸が痛い。 20歳から30歳の10年間…淡々と描かれているものの、奪われた自由は戻ってこない。当時声に出せなかった心の叫びを今更であっても声を大にして訴えてほしい。2025/03/08
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