光文社文庫<br> 肌色の月~探偵くらぶ~

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光文社文庫
肌色の月~探偵くらぶ~

  • 著者名:久生十蘭【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 光文社(2023/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784334795085

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内容説明

宇野久美子はアパートを引き払い、和歌山に帰ると周りに告げていた。しかし、それは自身をこの世から消し去る演出だった。死に場所に選んだ湖に向かうべく伊東で列車を降りるが、予想外の雨。濡れた彼女に声をかけた紳士の誘いを断り切れず、車に乗ると――。(「肌色の月」) 絶筆となった表題作を始め、多彩なジャンルで活躍した著者のミステリ作品傑作集!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ribes triste

13
病床で書かれた「肌色の月」の結末を、奥様が書かれたと知り驚く。収録されている奥様の随筆を読んで、十蘭作品のヒロインのモデルは奥様だったんだなあと思う。作品のことを話し合えるご夫婦の関係性がとても素敵だと思う。その一方での「金狼」の強烈でダークでドラマチックな世界に幻惑され、十蘭の凄みを知る。読めてよかった。日下さん、光文社さん、ありがとうございます。2023/05/15

Kotaro Nagai

7
本来なら昨年中に刊行されるはずが大幅に遅れて刊行。その理由は巻末の編者解説と編集部注にある。「金狼」「妖術」「妖翳記」「酒の害を繞って」「白豹」「肌色の月」「予言」「母子像」を収録。本書の目玉は文庫初収録となる「金狼」(昭和11年)でしょう。初めて久生十蘭名義で発表された作品。十蘭独特の語り口が楽しめる。「肌色の月」は絶筆となった未完の作品。残りを幸子夫人が十蘭のメモをもとに完結させたもの。「妖術」「妖翳記」「酒の害を繞って」「白豹」も既刊の河出文庫や岩波文庫にも未収録で、十蘭ファンには必携の書である。2023/03/31

鷹ぼん

5
『金狼』は好き放題に書いている印象。「これってどういうことなん?」という疑念渦巻く幕切れ。絶筆の『肌色の月』は夫人による「あとがき」が非常に読ませる。その夫人が後を続けた結末への物語は、十蘭もこう書いたのではと思うが…。『予言』を読んでいて「あれ?この展開は『妖術』やろ?」と。それもそのはず『予言』は『妖術』の仕立て直しだった。催眠トリックを描いた作品に催眠術にかかってしまったようで、こういう読者はちょろいもんだ(笑)。『酒の害悪を繞って』は、すっとぼけた感じで面白い。ほとんど「落語」。これも十蘭の魅力。2024/03/05

Tatsuo Ohtaka

2
表題作は未完の絶筆で、最後の部分は夫人がメモ書きを元に完成したもの。収録8編とも佳作で、巻頭の「金狼」は読み応えのある長編。面白かった。2023/04/14

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