内容説明
魔族であるというだけの理由で、それを邪悪と断ずるロンドシウス王国。
その常識に抗い続けた、魔力を持たない”煤まみれ”、ロルフ・バックマン。
運命に引き寄せられ、ついにロルフが手にした”煤の剣”は、彼にこの世界へ抗う力と、とある固い決意をもたらす。
自らが信じる正義のため──魔族とともに、ロンドシウス王国を倒す。
辺境伯の領都・アーベルを制圧するための作戦をリーゼたち魔族とともに開始するロルフ。
だが、彼は知らなかった。
ロルフたちに差し向けられた領軍の中に、第五騎士団最強の魔導師にして彼の妹、フェリシア・バックマンがいることを──。
「……本気で、人間を裏切るんですか? 魔族に寝返るんですか?」
「人だからこうするんだ。信じるもののために立ち向かうのが、人だと思うから」
かつては自分を慕っていた妹──。避け得なかった悲しき戦いが、いま幕を開ける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
21
侵攻された魔族達と共に侵略して来た軍を壊滅させ。逆侵攻して侵略軍拠点。自らが副司令官として在籍していた砦に攻め寄せて無血開城。砦を取り戻そうと進軍し縦列になっていた辺境伯軍を横撃してから各個撃破し。その後、辺境伯の領都に攻め込んで、捕虜にされたり、略奪で誘拐された魔族を救出。辺境伯は何故か雇った傭兵の1人に殺されており。指揮をとっていた姉弟の傭兵も討ち取って辺境伯領を切り取る。そして、次なる攻略目標に騎士団が増員され、かつて所属していた部隊の幹部が赴く。さらに現地には、以前助けた女傭兵が隣領の陥落を知る。2023/02/17
ささきち
10
前回の感想でロルフから見たら王国の騎士とか邪神を崇拝する邪教徒じゃんwとネタで言ったはずがガチで邪神だし洗脳しているとか思わないじゃん?煤の剣が魔法を無効化できる特性を持っていたから体を傷つけることで洗脳が解けたのがびっくりですよ。騎士も自分達が洗脳されていると気づいていないのがヤバいがだからこそ煤の剣がどれだけ自分達と相性が悪いのかわかっていないのが今後どうなるのか楽しみや。でも傷つけたらすぐに洗脳が解ける訳では無いのがフェリシアを見ると思うだけにあと一押し必要なのかな?それさえ分かれば魔族陣営は更に2023/06/03
ロック
7
人間世界を敵に回したロルフの本格的な戦争が始まった3巻。辺境の地での領軍との死闘は圧巻ですね。加護を持たないが故に日々の訓練を怠らなかったロルフの力がここに来てようやく真価を見せ、スカッとさせてくれました。ほぼ1冊攻防戦なので読み応えも十分かと思います。終盤では幹部会議で幼馴染で元婚約者のエミリーや妹のフェリシアが未だに納得のいかない心情を見せていましたが、正直自己中心的過ぎというか都合のいい心情ばかりで好きになれそうにないかも…。それに比べれて最強聖騎士のエステルの好感度が爆上がりですね。2023/02/28
Y
5
再読。この作品で1番気になるのが主人公の口調なんだよな…従卒だったときの口調は基本敬語であってそこはまあいいとして。なんかこのせいなのか主人公に性格がイマイチ掴めないところあるかなぁ。2024/04/23
うえはらちから
4
★★★★。Kindle Unlimited。面白かった。一気読み。こんな作品がサブスクで読めるとは、なんていい時代。妹と対峙して退けたが弱かったと思っていた兄に負けた妹の気持ちは。敵の姉弟の幼少のころの話も切なかった。この世界、貴族といえども幸せになれないという。この物語で幸せな人間っているんだろうか。魔族のほうが差別は少なそうではあるがずっと戦争してるし。人間側も同じ人間どうしの差別がひどい。この世界をどうするんだろうか。2025/01/14