内容説明
わたしたちが誰であるかを示すのに《性的なこと=セクシュアリティ》が重要だと考えられるようになったのは、なぜでしょうか。
きわめて個人的な《性/ジェンダー》の問題がいつも政治に結びついていることに目覚めた人たちがとった行動とは?
差別や分断、偏見や誤解にまみれた過去をふりかえり、そこから多様性にあふれた未来をえがく。
現在のわれわれの立ち位置を把握するためにも重要な《性》と《アイデンティティ》の歴史。
目次
はじめに
第1章 セクシュアリティ以前
第2章 セクシュアリティの発明
第3章 処女か、売春婦か――セクシュアリティについてのフェミニストの批判
第4章 寝室のなかの国家
第5章 性の未来
参考文献 ~さらに読みたい読者に~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘビメタおやじ
5
14歳から考えたいとあるが、とても14歳には無理だと感じました。大人でも難しい、さすがはオックスフォードです。ただし、易しく分かりやすさを目指すと真実が伝わらないのも確かでしょう。LGBTQ問題は、どんな人にも偏見をもたず平等に接することと呑気に考えていた自分の無知と能天気さに気づかされました。どんな社会でも、枠組みは必要なわけで、枠組みができれば辺縁も当然出来る。すなわち問題が生まれるということなんですね。それにしても幼児性愛を公的に擁護しようとする組織が堂々と存在していたことにはショックを受けました。2023/12/17
funkypunkyempty
2
★★☆ 14歳から~・・・が、本当にタイトルとして適切なのかどうか。そう掲げることで手に取らせようとしたならば、どうかと思うし、そうではないのであればどういうつもりでこのタイトルをつけたんだろう。そんな1冊。2023/05/27
xxx
2
フェミニズムやクィア理論の導入書として。「14歳から」とあるが内容は大学生レベルな気がする。西洋史メインで「広く浅く」という感じだが、優性学や小児性愛とLGBTQ運動の緊張関係もしっかり論じてあり中身は濃い。優性学=ナチスの人種政策というイメージがあるが、本書にある通りあらゆる国で優性学をベースに「我々の共同体に迷惑がかかる人」を排除しよう、そして良い国を!の動きがあった。またフェミニズムがそれを100%批判してきたわけではないうえ、マグヌス・ヒルシェフェルトも優性学者であってことに驚きである。2023/03/10
TNdler
2
kindle unlimited。特にフェミニズムを専門に学んだわけではないので、Chapter3の第二波フェミニズム運動における政治的レズビアニズム、レズビアン分離主義、「性にポジティブな」フェミニストと反売春/反ポルノフェミニストの対立のところは現代に至るまで続いていると思ったので一連の流れがとても勉強になった。 あとこの本は一応「14歳から考えたい」というタイトルなので、小児性愛者団体に対しての記述があって大丈夫なのかヒヤヒヤした。クイア理論のところは正直言葉遊びのようにしか思えず難しかった。2023/02/28
ishida
1
性にまつわる歴史的な変遷・動き・背景について解説した本。勉強になった2023/01/18