内容説明
時は江戸。 如月庵は上野広小路から湯島天神に至る坂の途中にあり、知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えてしまうと噂だ。 如月庵を訪れたのは、梅乃の母を知っているという髪結い。徐々に梅乃の知らなかった母の秘密と如月庵とのつながりが明らかになり…… 人気シリーズ完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
80
シリーズ満月を迎えての大団円ということですね。如月庵で働く人たちそれぞれが秘密を抱えており、それゆえ人に優しく丁寧で美味しい食事でもてなす最上のお宿。シリーズごとに1人1人の秘密を解いていってもう何もないと思っていたら、最後に思いがけず主役の梅乃も知らなかった母親の秘密が…。中島さんも粋ですね。まさかの梅乃を事件がらみにしてしまうとは。折しも大名屋敷で起こる妖出現の噂。たぐっていくうちに病で死んだはずの母親の死の真相が繋がってくる。また一つ大人になった梅乃と如月庵のますますの繁盛を祈りつつこれにて完結。2022/11/23
おしゃべりメガネ
74
シリーズ第6弾にて完結編。主人公「梅乃」の母は彼女が幼い頃、流行り病で亡くなったと聞かされていたが、髪結いの女性からある言葉を聞き、どうも何やら怪しげな展開に。真実を知ろうとする彼女を周りも何かしらフォローしつつ、果たして真相はいかに。本作では準レギュラーの「源太郎」と母親のやりとりに涙腺が緩みます。特に母親としての嬉しくもちょっと複雑な微妙な心理を見事に綴る作者さんの手腕はさすがでした。母親の謎の死の究明に特化したからか、これまでの雰囲気とはちょっと違い、ある意味ミステリー要素が強かったかもしれません。2025/02/01
kagetrasama-aoi(葵・橘)
46
「お宿如月庵へようこそ」第六巻。満月の巻。まだまだ続くと思っていましたが、まさかの完結巻。焦点が当たったのは、梅乃とお園姉妹の母親でした。びっくりでした❗️そして、紅葉と梅乃、二人ともにこれからも成長していくのが目に見えるような結末、元気を頂きました。2023/01/24
よっしー
33
これにて完結。のんびりと読み進めたシリーズ、少しずつ如月庵で働く面々の過去や悩みが明かされていきました。最後は梅乃の母親の死の真相に迫りました。結果として、真実は明らかになった物の、周囲には知られる事も無い結末にスッキリとは言い切れませんでした。ただ、皆が前を向いて新たな一歩を踏み出している様子に安心もしました。2024/02/04
あすか
29
ついに母の死の真相が明らかになる梅乃。一生忘れられないだろうけど、棚上げしておける如月庵があってよかった。2023/03/17