内容説明
『飛禽』のヴィンドは、フェンド連邦の地で窮地に立たされていた。『べリアス』による襲撃、世界最高峰の力を誇る『黒蟷螂』との対峙。次々と仲間が倒れゆく中、彼の脳裏にあったのは『灯』と過ごした日々だった……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
48
スパイ養成学校のトップ6人を集めた精鋭集団『鳳』。予期せぬ襲撃で仲間たちが倒れゆく中で、『飛禽』のヴィンドが忘れがたき『灯』との蜜月の記録を思い出す短編集第三弾。ファルマとサラのロリコン合コン、モニカの地雷を無自覚に踏み抜くラン、アネットとクノーが向き合った小さな命の死、グレーテとの会話に垣間見えるビックスの思いだったり、落伍者達の犯罪組織を追ったり、抜きん出て成長していたヴィンドとメンバーたちとの溝など、『灯』と対比させて描かれるからこそ浮き彫りになる彼らのありようがまた印象的な短編集になっていました。2022/12/05
オセロ
31
セカンドシーズンに関わる「鳳」と「灯」の蜜月の出来事をまとめた短編集3作目です。 彼らの友情が如何にして育まれ、それが「灯」の成長にどのように繋がっていくのかが5つの短編で構成されていて心温まるものから切なくなるものまでジャンル様々でしたが、ヴィンドの生き様と「鳳」が「灯」に残したものが分かるラストの物語には胸が熱くなりました。2022/10/20
しゃお
18
〈スパイ教室〉シリーズの短編集第三弾。今回も短編集とはいうものの、殆ど長編的な、まさかに極上な物語。養成学校トップのエリートが集められた『鳳』を深堀りし、『灯』との蜜月とそしてチーム行く末を、可笑しくも切なく、そして熱く描かれています。中ではアネットとクノーの物語が胸を抉り、アネットの暴走の果てには彼女の胸に何を残したのか気になります。そして最後に壁に描かれる絵がまた切なくさせます。さて、次回からは新シーズン突入ですね。この蜜月で描かれていた事が『鳳』から『灯』に繋がれたものの行方を楽しみにしたいです。2022/12/30
げんごろう
18
“灯”と“鳳”の蜜月の記録。 鳳の結末を知っているので繰り広げられるドタバタ劇を面白さと切なさが入り交じる複雑な気持ちで眺めてました。 彼らの事を知れば知るほど否が応でも愛着が湧いてしまいますよね。 個人的にはクノーとアネットのエピソードが良かったです。2022/11/27
ミャロ
17
※kindle シリーズ3作目。「灯」と「鳳」の交流話。どの短編も面白く皆がイキイキしていて良かった。個人的にクノーとビックスの回が好き。グレーテの強かさに笑った。2023/03/12