内容説明
アラブ反乱が大団円を迎える最終巻。アズラクに集結したアラブ軍は、タファスでの血塗られた戦いを経て、ついにダマスカスに入城した。そしてロレンスは、公私にわたる心中の葛藤に疲れ、ヨーロッパでの政治工作に今後を託して、ひとり中東をあとにする。編者ウィルソン氏の興味深い解題と、八木谷涼子氏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん教授(非実在系)
4
戦後ファイサルと共にアラブの利益を主張するも多くが叶わなかったこと、イラク王になったファイサルの子孫は革命で虐殺されたことを考えるとロレンスのトルコ打倒の栄光の多くは結果的には地に堕ちてしまったと言えよう。ロレンス自身、サイクス・ピコ協定やバルフォア宣言との三枚舌外交を平然と行うイギリス本国には批判的であったが、どうにもならない部分が大きかった。せめてもの慰めとして客観的に見た観察と関係者のために書いた主観とを残すことに人生の後半を費やしたのである。他人のために尽くした苦労人への共感を記したい。2016/08/29




