内容説明
くたびれた足取りで、愚痴りながら事件現場へと向かう北町奉行所同心の亀無剣之介。
やる気や情熱などとは無縁の性格で、冴えない風貌と相まって、周囲からは馬鹿にされがちだが、じつのところこの男……卓越した推理力で犯人の裏をかき、難事件をいつくも解決に導いた、凄腕の同心であった。
そんな剣之介の前に現れたのは、人気の手妻師、有名料亭のあるじ、そして堅物の駕籠かき……。それぞれ立場は違えど、共通しているのは、おのれの犯罪に絶対の自信を抱いていることである。
彼らの完全犯罪を前に、剣之介はそれを凌駕する頭脳で、下手人たちを徐々に追いつめていく!
傑作シリーズ・待望の新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
46
シリーズは6作目。 「見破った人」 手妻を見破った瓦版屋を手妻師が殺したが、その手口が分からないとしょっ引くことができない。 凝った手口だが、この時代に手品はやはり珍しいのだろう。 表題作は町を買収しようとし、尚且つ町名を代えようとした豪商を殺害。 これまでの1人ではなく2人が結託してというやりとり。 「相棒殺し」 息の合った駕籠屋同士だったが、辻斬りのせいにして片方が殺害。 その動機に亀無は共感する。 いつものように松田の勘違い推理も堪能させてくれる。2023/05/17
まき
8
時代劇版コロンボ風、剣之介が犯人に迫る過程を楽しむ作品。隣の与力のトンデモ謎解きが笑える。軽く読めるので疲れているときは助かる。2022/12/09
ルルら~ら
4
●見破った人 近頃巷で大評判の化け物師 竹林斎天宝 彼のからくりは誰にも見破ることはできないはずだったのに ●殺される町 町を愛してやまない料亭〝浜ちょう〟の主 長十郎 豪農の田吾衛門がその町の一帯を買い取り事もあろうか田吾衛門町と名を変えると言う ●相棒殺し 仲の良さで評判の駕籠かき寅蔵と竜次 小さな嫉妬が積み重なりかけがえのない相棒の竜次を殺してしまう 今回もスッキリと面白かった ただ表紙の剣之介がこれまたスッキリとしたイケメンになっててビックリ 前作までのくたびれた剽げた剣之介どこ行った?2023/07/31