内容説明
風采があがらず、しょぼくれて冴えない侍――亀無剣之介は、毛羽だったちぢれ毛の髷と、名前の一文字から、ちぢれすっぽんと呼ばれる北町奉行所の名物同心。その風貌と、おどおどした言動は、奉行所のみならず、町民のあいだでも馬鹿にされているが、実は頭脳明晰であり、剣は鳳夢想流免許皆伝の腕前。見かけからは思いもよらない、切れ者同心であった。 ある日、沢木屋の女主人・おさよは、やむをえぬ事情から、能登屋の弦蔵を殺してしまう。考え抜かれた殺しの計画は完璧で、おさよは、奉行所の探索の手からうまく逃れたかにみえたが……。 殺しの下手人にしつこく喰らいつく、剣之介の追及がはじまる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
一五
4
村上豊の表紙絵😆 この頼り無さそうな ポヨ~とした見た目。悪人皆だまされてしまう。楽しい!2019/05/14
kazukitti
3
初めて読んだ時は、軽妙さの風野節の中でも割とハードって思ったけど、今のかなりくだけたシリーズもある中では、やっぱりトボケた主人公の割にちゃんと推理もの捕り物として固めの話よね。2022/01/29
めにい
3
江戸時代のコロンボ、超個性的な松田と、ユニークな志乃。楽しい。2011/10/14
まき
2
風貌はさえないし、おどおどしているので侮られがちな主人公だけど、実は切れ者で、剣の腕もたつ。犯人が先にわかった展開からはじまるのは、まさに時代小説のコロンボですね。与力でお隣の松田の珍推理も面白いけど、その妹の志保との今後が気になる。2015/04/19
kazukitti
2
他の方も言ってますが正しくコロンボw 作品構成が倒叙形式ってところから、冴えない主人公が何度も現場や犯人と接触して謎を解き明かすのまでキャラ配置まで、オマージュと言っていいのか、様式美と言ったらもいいのか。(笑)最近読んだ風野作品が、姫は~と新・若様~だったので、軽すぎないのがよかった。主人公のロマンスもちょっと楽しみw2013/06/13