内容説明
ちぢれ毛の髷に、冴えない風貌―北町奉行所同心・亀無剣之介は、陰でちぢれすっぽんとあだ名され、奉行所内だけでなく、市井の町民にも侮られていた。しかし、しょぼくれた見かけの裏には、難事件を解き明かす明晰な頭脳と、下手人をとことん追いつめる執念、そして奉行所内でも一、二を争う剣の腕前を隠し持っていた。年明けも近い晩冬の江戸―。禅寺の崩れかけた鐘撞き堂で、大店の女主人が、鐘の下敷きになって亡くなった。女の死に不可解な疑問を抱いた剣之介は、寺の住職・雪元を疑う。しかし、雪元は、女が死んだときに別の場所にいたという、確かな証言があった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
退院した雨巫女。
7
見てくれは、悪いけど。亀無様、素敵なんだろう。2010/11/16
まき
5
容姿や言動が頼りなくみえるけど、本当はできる同心の亀無がいい感じですね。本当に江戸時代のコロンボだわ。志保との関係がどうなるのか気になる。2015/08/05
kazukitti
3
このくらいの時期の風野さんのが軽いけど、ハードって感じで、まぁ孫バカ爺さん元目付のも面白いけどw 今は割と読む自分も惰性になっちゃってる部分無きにしも非ずの耳袋シリーズも、やっぱり好きなのかなぁ。おっさん向け時代ライトノベルって軽いだけじゃなく、事件そのものはそこそこハードで、それ故に関わったひとや殺人者にも、ソコに至る経緯に損得勘定以外の何かしらかのものあがって、ってのがいい味になってると思うねぇ。2022/02/01
藤よい
3
しょぼくれた見かけだけれど、難事件を解き明かす同心の亀無剣之介。 アリバイやトリックを一つ一つ潰して追い詰める。どの話も面白かったです。剣の腕前を披露する場がなかなか出てきませんが、「最悪の同心」での最後はカッコよく決まりました。次も楽しみです。2021/10/19
もも
2
「首切りの鐘」で剣之介が座禅をするシーンが良かった(^^) 「殺しとはなんぞや?」「何世代にわたって積もる、心に降る雪」 なんていかした禅問答!こんなところにも風野さんのセンスを感じる。2012/12/06