内容説明
西行はついに高野山入りを決意。申の導きにより宿神と出会い、今は亡き鰍の弔いをついに果たす。
一方、清盛は権力闘争につけこんでのし上がろうと画策。都に大乱の気配が漂い始める……。
大長篇伝奇小説、第三巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
豆電球
12
史実とファンタジーが絶妙な塩梅でないまぜになっていて、歴史好きでファンタジー好きな私としてはとっても面白く読み進められています。清盛が真っ直ぐに悪巧みしている感じもイメージにぴったりというか。一蓮托生な平家が大好きなんだけど、こういう気持ちもきっと皆無ではなかっただろうなっていう意味で。しかし西行は清盛の後々の敵とも言える人々を引き付け開花させているイメージがありますね。これが最終巻に影響するのかどうか。気になるところです。あと、本を落としてしまうくらいやられたー!!っていう箇所があって。もう最高でした。2022/05/25
luadagua
10
みちのくや那須など旅に出かけたり、高野山に住まいを移したりしていた西行だが、都では藤原摂関家の内戦により保元の乱が起ころうとしていた。崇徳上皇の敗北と配流のエピソードは何度読んでも辛い…でも、本作では配流される寸前まで西行が崇徳院に付き添われていたのに読んでいて慰められた。要所要所で清盛、西行、文覚の語り合いがあるのがいいな。文覚が清盛にはっきりと「おぬしの敵になる」と宣言し、「もしかすると、おれはお前が好きなのかも…」と言う文覚の曖昧さが史実の行動にも表れてる感じがして、なんとなく腑に落ちた。2025/06/10
suntalk
2
保元の乱勃発。清盛は、藤原忠通、信西、後白河天皇側につき、源為義、藤原頼長、崇徳院側に勝利する。西行は、敗れた崇徳院の逃れた仁和寺で、崇徳院の側に仕える。それにしても、血を分けた親子兄弟で争った結果が悲しい。2022/05/27
ほにょこ
2
★★★☆☆ あの人も死んでしまうというドラマチックな展開になりました。西行視点の話は面白いけれど、それ以外の話が多くてやや退屈でした。タイトルから予想されたファンタジー要素はほとんどなく、歴史小説になっていますね。2022/05/25
あきのぶ
1
保元の乱2022/02/16