内容説明
狂うてよいか。女院が義清に囁いた。
狂ってしまったのは義清の方であった。その晩のことに感情のすべてを支配されている。もう、我慢が利かない、また逢うしかない。しかし女院は言う。あきらめよ、もう、逢わぬ……。
義清は絶望の中、こみあげてくる熱いものにまかせ、鳥羽上皇の御前で十首の歌を詠み、書きあげた。自分がさっきまでとは別の人間になってしまったことを、義清は悟っていた。
著者渾身の大河伝奇絵巻、第二巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
豆電球
12
史実にうまく"あれ"が融合してきた感じです。それでもまだまだこの先どうなるのか見当もつかないので読むのが楽しみです。西行がこれから起こる歴史の波にどう抗っていくのか、文覚が今後どんな道を選ぶのか、宮中のおどろおどろしい禍の顛末も気になります。特に藤原摂関家の気味の悪さにはゾクゾクします。嫌悪感が募りはするのだけれど、もっと知りたいという欲求も。頼長は好きじゃないけど嫌いにもなれない、なんだか気になる存在です。次巻ではいよいよ保元の乱勃発でしょうか。楽しみです。2022/05/23
luadagua
10
待賢門院璋子への熱い思いを宮廷の襖絵に添える歌で表現して、そのまま出家し西行となった佐藤義清…。出家してからも璋子のそばに居続けるとかストーカー気質があるけど、そのくらい強い思いがあるからこそ、歌が光るのかもしれない。そして、璋子の死の顛末も悲しい。懊悩する西行を見守り、大事なところは押さえる清盛が頼もしい。だんだんきな臭くなってきて、まもなく保元の乱が始まるけどどうなるのやら。宿神ももっと存在感を増してくるのかな? 崇徳上皇が悲しいところはあまり読みたくないなあと思いつつ続きを読む。2025/06/07
かめゆき3
8
待賢門院璋子は以前大河ドラマで見て、嫌なイメージしかなかったのですが、この作品でなおそのイメージが深まりました(笑)。西行さんはともかく、西行さんの妻子が気の毒過ぎる。待賢門院璋子の晩年を知らなかったので、驚きました。これまで 璋子に囚われ、璋子のためだけに生きてきた西行さんが今後どう生きて行くのか楽しみです。2022/02/24
北刻堂
2
待賢門院璋子への想い断ち切れず、衝動的に出家してしまった義清改め西行。現代で言えば閣僚になることも夢ではない地位まで出世しながら、総理大臣のファーストレディとの不倫の恋に狂って出奔してしまうようなものである。昔の人って、思い込みが激しい人が多かったのか? その璋子も本巻の終わりでは亡き人となっしまう。物語はまだ半ば。西行よ、このあとどのような思いを巡らせて生きていくのだ!? 脇役ではあるが要所々々で暗躍する傀儡の申と鰍がこのあとも様々な出来事のキーマンになってきそうで、なんとなく気になる存在である。2025/10/15
suntalk
2
佐藤義清、覚鑁と出会う。鳥羽上皇、覚鑁、待賢門院璋子らの前で、十枚の襖絵に向かって、璋子への思いを十首の歌に書き記す。その後、出家し、西行となる。2022/05/18
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