内容説明
そなた、もしかして、あれが見ゆるのか……女院は不思議そうに言った。
あれ!? あの影のようなものたちのことか。そうだ。見えるのだ。あのお方にも、見えるのだ――。
のちの西行こと佐藤義清、今は平清盛を友とし、北面の者として院の御所の警衛にあたる若き武士。ある日、美しき箏の音に誘われ、鳥羽上皇の中宮、待賢門院璋子と運命の出会いを果たす。たちまち心を奪われた義清であったが……。
著者渾身の大河伝奇絵巻、開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
豆電球
13
佐藤義清を中心に、平清盛の青年時代の頃を描いています。これがなかなかに面白い。遠藤盛遠が特に良い。思わず歌川国芳の画集を開いてみたり、芥川龍之介の「袈裟と盛遠」を改めて読み直してみたりしてしまいました。そして彼が後に呼ばれる名前にびっくりしたり。こういう"点"だったものが"線"になる面白さが歴史の魅力なんですよねー。そんな最高の史実をベースに繰り広げられる物の怪ファンタジー。続きが気になってページをめくる手が止まりません。そして清盛の聡明っぷりもたまりません。ますます清盛にどっぷりハマってしまいそうです。2022/05/17
luadagua
11
西行について調べていたら見つけたこの作品。夢枕獏先生だし、佐藤義清(後の西行)と清盛の物語だなんて絶対おもしろいに違いないと、読まずにはいられなかった。二人の関係性は「陰陽師」を思わせる空気があったけど、この巻では怪異は少なめ。そのかわり、待賢門院璋子と遠藤盛遠のキャラが濃すぎて、この二人の存在が十分に怪異的というか。盛遠が袈裟を殺してから文覚になるまでの過程が壮絶だった。平家物語でも思ったけど、文覚って今ひとつ行動原理が理解できないんだよな。今後の展開を楽しみに2巻を読む。2025/05/26
くろばーちゃん
8
文庫なった分の陰陽師はすべて読んでしまい、キマイラは1巻で好みじゃないと思ったわけだが、それでも気になる夢枕獏。飯野和好の表紙絵と「美しき箏の音に誘われ」という解説に惹かれて手にした。タッチは陰陽師に近い。うっかりしていると義清と清盛が晴明と博雅に思えてしまう。今後の展開で、序の巻に出てくる幼少時のおそらく義清と璋子の場面がどのような形でかかわるのかも楽しみだ。2022/03/08
泰月
6
伝奇的要素を盛り込みつつ平家の隆盛をえがく歴史小説なのかな? 何よりも文覚のパートが良かった。 2022/03/01
かめゆき3
5
面白いです。!まず佐藤義清と平清盛が晴明と博雅みたいな感じで新鮮です。西行さんがこんな人とは。 二人の関係だけでなく、崇徳天皇と鳥羽上皇の関係とか、描き方がうまい。続きが楽しみです。2022/01/30
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