内容説明
日織は二十年来の望みを果たし皇位に即いた。だが、新しい御代の始まりを龍ノ原に知らしめる宣儀の場で、龍を呼ぶ笛が鳴らない。日織を妬む者の仕業か。一方、反封洲の有間が訪れ、一原八洲の律を犯すことを要求する。そして、妻の悠花が消えた。全ての試練は、偽りで御位を手にした己への罰なのか――最愛の妻を取り戻し、国を守るために下す途轍もない決断とは。男女逆転宮廷絵巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星群
46
〝縁成されしをお慶び申し上げます〟煌煌と神々しさが本から溢れ出てくる感覚に圧倒されるばかりでした。一つの神話が壊れ、新しく生まれた神話を目の当たりにした回でした。日織と悠花の関係にキュンとします。ますます目が離せません。2024/08/20
Nyah
44
「とりかへばや物語」?これはなかなか楽しい。逆境の中戦うヒーローの顔したヒロイン。/ 日織は女であることを隠し命を賭し入道を成し皇尊となる。自分の様に龍の国で龍の声を聞けない女は遊子と言われ国外追放されてしまう。国を変える為に皇尊を目指したが、新たな皇尊の誕生の発表である宣儀で妨害され龍を呼べず、白髪ムキムキ美男子が脅しをかけてくる、愛しの妻悠花(男)は龍のようなものに連れ去られ、一気に窮地に陥る日織。しかし、あるものは使えと頭を使い、腹括り、攻め入るんですな。
papako
38
この巻が好きだなぁ。こちらも再読。龍が群れて飛ぶ様を見てみたい。この宣儀を見ても日織が皇尊だと認められないのはよほど凝り固まっている人々だ。しかし人の凝り固まった認識を変えるのは難しい。日織がんばれ!2024/01/07
よっち
34
龍ノ原の皇位を巡る争いで、女であることを偽り皇尊となった日織。しかし新たな御代の始まりを告げる宣儀が上手く行かず、さらに反封洲の伴有間が訪れて一原八洲の律を犯す要求を日織に突きつける第二弾。なぜ皇位を認められるための儀式で龍を呼ぶ笛を鳴らすことが出来なかったのか、このタイミングでの有間の要求に、妻の悠花まで攫われる試練の展開でしたけど、それでも諦めずに真摯に向き合い続けた日織だからこそ、無謀とも思える新しい時代を切り開くための決断に繋がって、新たな未来を切り開いてみせた結末にはぐっと来るものがありました。2021/11/26
うめきち
30
一巻よりテンポがよく、ますますのめり込んだ。すごく面白かった。日織だけだどなんとなくハラハラだけど悠花がいるから安心。有間が素敵でした。2023/03/23