朝日文庫<br> 国宝 下 花道篇

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朝日文庫
国宝 下 花道篇

  • 著者名:吉田修一【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 朝日新聞出版(2021/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022650092

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内容説明

鳴りやまぬ拍手と眩しいほどの光、人生の境地がここにある──。芝居だけに生きてきた男たち。その命を賭してなお、見果てぬ夢を追い求めていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をダブル受賞、『悪人』『怒り』につづくエンターテイメント超大作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

683
出自を悔やまず、花井半二郎は舞い続ける。世間が波打とうともただひたすら血筋に重きを置き、結んでは解け、手繰れば離れ、何を探しているのか雪景色に沈みゆく。濡れた羽ばたきは汚れ、脇役に支えられ、大輪の花弁に喝采を浴び、朽ちた末の琴責め。粉雪舞う夜空に見つけたのか、さぞかし美しかっただろう。思い出を奪うことはできない。辿り着けない道の果て、歩まなければ陽も沈まない。国宝。全てを失う覚悟のある者の定め。執筆中に父を亡くした作者の吉田修一。人生を振り返るとき、記録に残らない、記憶にしか刻めない思いが誰にも存在する。2026/01/18

ミカママ

668
夢中で読了。吉田修一先生の代表作のひとつになることは間違いない。先生の初期&中期の作品の中にも忘れられないものがいくつかあるが、こんな引き出しも持っておられたのだな。読者を喜久雄の芸の道、ひいては彼の人生のローラーコースターにいっしょに乗せてあっという間の花道。芸の道を突き詰めると人はこうなるのか?という衝撃のラスト。ブラボー。2025/08/01

maekoo

505
小説を読むと場面を通じてそこに映し出されるのは読手が人生で経験した様々な景色や経験、過去の喜怒哀楽等が情景として融合化される! 個々の深みによって情景は広がりを増す! この作品は仁義なき戦いでも描いた原爆後の人の「生」や、子育てや仕事での喜びと思いがけない挫折・運命・やるせなさが溢れる! 浄瑠璃・歌舞伎の演目の面白さと芸道の妙も描きつつ様々な人々の人生の花道を紡ぐ感動的な芸道大河となっている! 自己の映像を創り出す喜びを享受する為にも先に読むのを推奨! 特に徳次の物語と阿古屋、巻末の参考文献・解説は絶品!2025/08/02

inami

421
★3.5 大昔、歌舞伎座で歌舞伎を鑑賞したことがありましたが、演目も役者の名前も思い出せません(笑)。さて本書、上巻に続き下巻も、次から次へと事件が起こり、さらに人間関係も複雑に絡み合う中、物語はテンポの良い展開を見せます。舞台で演じる其々の役者の表情や動きを言葉で表現するのはきわめて困難な事なのに、実に描写が見事で臨場感抜群です。思わず「よっ、三代目!」と声をあげてしまうのでございます(笑)。読書の後は、映画を観に行こうと思った次第ででございます・・2025/08/16

石川桂子

374
上巻から下巻へ。三代目を実の息子でなく喜久雄に継がせたことで出奔していた俊介が10年ぶりに復帰。そこから二人の芸のふくらみと共に物語も膨らむ。継げなかった血による病が俊介を死にいたらしめる。俊介を復帰させた大御所万菊が最後ドヤ街の木賃宿で孤独死とは華やかな世界でも孤独は同じ。国宝に認定されてからのラストが「え…えぇ~~喜久雄、そ、そっちにぃ~??!」と心情的には手を伸ばして叫ぶくらいの予想外で、結構な衝撃だった。このラストで今までの物語の印象がガラッと変わった。「美しい化け物やで」すら超えてしまった。怒涛2025/08/21

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