内容説明
鳴りやまぬ拍手と眩しいほどの光、人生の境地がここにある──。芝居だけに生きてきた男たち。その命を賭してなお、見果てぬ夢を追い求めていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をダブル受賞、『悪人』『怒り』につづくエンターテイメント超大作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
654
夢中で読了。吉田修一先生の代表作のひとつになることは間違いない。先生の初期&中期の作品の中にも忘れられないものがいくつかあるが、こんな引き出しも持っておられたのだな。読者を喜久雄の芸の道、ひいては彼の人生のローラーコースターにいっしょに乗せてあっという間の花道。芸の道を突き詰めると人はこうなるのか?という衝撃のラスト。ブラボー。2025/08/01
maekoo
396
小説を読むと場面を通じてそこに映し出されるのは読手が人生で経験した様々な景色や経験、過去の喜怒哀楽等が情景として融合化される! 個々の深みによって情景は広がりを増す! この作品は仁義なき戦いでも描いた原爆後の人の「生」や、子育てや仕事での喜びと思いがけない挫折・運命・やるせなさが溢れる! 浄瑠璃・歌舞伎の演目の面白さと芸道の妙も描きつつ様々な人々の人生の花道を紡ぐ感動的な芸道大河となっている! 自己の映像を創り出す喜びを享受する為にも先に読むのを推奨! 特に徳次の物語と阿古屋、巻末の参考文献・解説は絶品!2025/08/02
粗晒し六兵衛
365
★★☆☆☆ 歌舞伎役者みんな悲しい最後だな。俊介も途中でいなくなってから面白くないし、喜久雄の最後も読書の想像にお任せする形。役者としていくとこまでいっちゃってそれ以上もう書く事ないからあんな終わり方にしたんだろうか。上巻の方が好きでした。2025/06/05
やっちゃん
324
話のスジも面白いが芸術の凄みを言語化してる小説でもある。実際観てみたくなるし映画も楽しみ。昔のキャラが忘れた頃に出てくるし、いいこと悪いこと乱高下で飽きない。大河ドラマで観たくもある。2025/09/30
こも 旧柏バカ一代
311
俊ぼんが復帰して大衆ウケするように喜久雄を悪役にするマスコミ。そのせいか、喜久雄の評判が悪くなりって今まで頑張って来た人に砂かけて追い出すようにして行った。それでも潰れない喜久雄。本人同士は仲が良いから余計に複雑。そんな彼等に襲いかかる様々な不幸。まさか俊ぼんが、、あんなに頑張ったのに最後は残酷だ。国宝となった男の人生、綺麗に幕引き。合掌。HPにて加筆。https://www.kashiwa1969.online/novel-kokuhou-2-review/2025/08/09
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