出版社内容情報
現代フランスの代表的な映画理論家たちの共著による本格的な映画理論概説書の完訳。サイレント映画時代から現代に至るまでの映画理論の基本的問題を、「視聴覚的表象としての映画」「モンタージュ」「映画と物語」「映画と言語活動」「映画と観客」の5章にわたって明快に解説する。映画および映像メディアをよりよく理解し、深く探究してゆくための必携の入門書として、学生・一般読者および教育機関・図書館に広く薦められる。巻末に詳細な書誌と索引を付す。
内容説明
現代フランスの代表的な映画理論家たちによる本格的な映画理論概説書の完訳。映画および映像メディアをよく理解し、探究してゆくための必携の入門書。詳細な書誌・用語対照表・索引を付す。
目次
第1章 視聴覚的表象としての映画
第2章 モンタージュ
第3章 映画と物語
第4章 映画と言語活動
第5章 映画と観客
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛸
9
タイトル通り、映画理論に関する概説書。「画面」の意味するところから始まって、モンタージュ(バザンとエイゼンシュタインの理論の対立)、映画における物語(過去作品の蓄積がジャンルを形成しリアリティの基準となっていくという指摘)、観客(と精神分析の主体との相同性)、について映画研究の先例を踏まえつつ説明がなされる。基本的にはわかりやすい内容(だが読み易くはない)。物語に関する件でバルトらによるテクスト分析の理論が、観客に関する件では精神分析の理論が使用されているので、そのあたりは馴染みがないと難しい。2022/02/02
えふのらん
3
映画理論というよりポストモダン入門の書。バザンからエイゼン、ヴェルトフといった批評家を片っ端から批判して、外堀を埋めつつ映画理論を再検討。ある程度は映画史を齧っていることを前提に書かれているから初心者向きではない。あとざっくりとした理論の紹介から猛批判をしてしまうからそうはならんやろ、というのがいくつもあって読むのが辛かった。特にバザンに対しては厳しすぎる。2024/06/03
サトゥルヌスを喰らう吾輩
3
映画研究史をフォローしつつ主要な理論を概観するという趣き。フランス現代思想的な複雑きわまる文体および容赦なく出てくるシニフィアンとかランガージュとかに白旗を振りつつ一応は読了。しましたが正直よくわかんなかったとこだらけだったな。難しかったー!でもあたりまえだと思っていた今の映画や批評のあり方は技術の進歩とか研究の流行とか理論の対立とかいろんな歴史を経てそうなっているという遠大さを感じることができてよかったです。あと何度も出てくるのでアンドレ・バザンさんとクリスチャン・メッツさんは名前を覚えました。2020/02/29
子音はC 母音はA
1
やはり、この本の中で登場するエイゼンシュタインがいるおかげで実際の製作者と映画理論というものが橋渡しできている。いなかったらゾッとする。未だに映画史が何も始まってすらいない可能性を思う。批評云々の前に映画の特質を拾いあげたのが功績に値すると思う。2014/07/04
non
1
用があって再読。2012/11/16